梅田のバー「BAR 華」(大阪市北区堂山町、TEL 06-6360-9434)が6月1日から、最先端カクテルの技術を応用した大人向けのかき氷を提供している。
開発したのは店主の岡村耕一さん(33)。東京・六本木ヒルズの「イル・ムリーノ・ニューヨーク ダイニング」の専属バーテンダーを務めた後、赤坂見附の「SUNTORY MALTBAR DEN」、グランフロント大阪の「Whisky Dining WWW.W」でも経験を積み、昨年12月に自分の店を開いた。「深夜、口直しで甘いものを食べるところがない」という客の声を受けて、最先端の「ミクソロジーカクテル」の技術を応用したかき氷を作ることを思い立った。
ミクソロジーカクテルは、果実や野菜、チーズといった食材と酒を合わせて作る「最先端カクテル」で、作り手は「調理バーテンダー」とも呼ばれる。遠心分離機やスモークマシン、液体窒素などを使い、カクテル作りの過程も楽しませるため、「理科の実験みたい」と言われることも。この技術を応用し、生の果実を使って注文ごとに客の前で蜜づくりから始めるかき氷を始めた。
味は、イチゴの酸味とリキュールの甘味がほど良い「イチゴアマレット」、テキーラの甘味、香りが際立つ「大人味」の「キウイテキーラ」、ジンとスダチの「華やかな香り」(岡村さん)が「暑い日に最適」という「スダチジン」の3種類。全てトッピングに綿あめが付き、溶かした後のジャリジャリとした食感も楽しめる。蜜の濃さも調整し、氷が溶けた後もカクテルとして飲めるよう工夫した。氷は製氷店から仕入れて使っている。
アイデア自体は東京で勤務していた時代から温めていたもので、夏に向けて3月ごろから試行錯誤を繰り返した。「おなかを壊しそう」と言いながらも、試作品を食べては意見をくれる常連客の助けも借り、ようやく完成にこぎ着けた。カウンターに置かれたレトロな雰囲気のかき氷機はなじみの客たちからのプレゼントだという。
「バーには敷居が高くて入りにくいというイメージがある。良さを知ってもらうきっかけになれば」と岡村さん。「かき氷一杯だけでも歓迎。ぜひ食べに来て」と話す。
価格は900円。営業時間は18時~翌5時(日曜は24時まで)。木曜休み。