ヤンマー(大阪市北区茶屋町)は11月19日、建設をすすめていた新本社ビル「YANMER FLYING-Y BUILDING」のお披露目をし、新たな取り組みを発表した。
2012年に創業100周年を迎えた同社。次の100年に向けて新本社ビルの愛称を「YANMER FLYING-Y BUILDING」と名付け、「次の100年の航海に漕(こ)ぎ出す象徴」として船のへさきをイメージしたデザインとした。同ビルは、高さ70.7メートルの地下2階-地上12階で構成。延べ床面積は約2万1000平方メートルで、1~4階部分には「UNIQLO OSAKA」、地下1階~2階には「GU」が出店する。太陽光発電やガスコージェネレーションシステム、ガスヒートポンプによる高効率熱源・空調システムなど同社独自の技術を集積し、オフィス部分ではCO2排除量55パーセント以上削減を目指す。
発表会に登壇した山岡健人社長は「私たちは次の100年に向け、持続可能な資源循環型社会の実現を目指している。このビルはヤンマーのビジョンそのものであり、未来へのソリューションを世界中に打ち出していく発信基地」とあいさつ。
クリエーティブディレクターの佐藤可士和さんは「これからはプレミアムマルシェカフェなど今までしてこなかったB to Cに向けたユニークな活動を展開する」と話し、取締役・工業デザイナーの奥山清行さんは「このビルが販売店とコミュニケーションをとれるカフェのような存在になりたい」などと話した。
発表会では、奥山さんがデザインした2015年5月発売予定の「ヤンマートラクターYTシリーズ」の展示や、解体作業、災害現場など建設現場での作業を目的としたコンセプトモデル「バックホー」のデモンストレーションも行った。
12階には「都会の人々に農業や漁業に関心をもってもらいたい」と、社員食堂「プレミアム マルシェ カフェ」をオープン。昨年から各地で展開する「プレミアムマルシェ」を社員食堂に取り入れたもので、社員が「食を支えるプロフェッショナル」となり生産者をサポートすることを目指す。2016年度内の一般開放も視野に入れているという。