グランフロント大阪(大阪市北区大深町)北館ナレッジキャピタル地下1階「イベントラボ」で現在、「篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN」が開催されている。
1950年代後半から現在に至るまで、約50年にわたり撮影した中から、「技術ではなく写真の神様が降りてくることがある」時に撮れたという写真102点を選び展示する同展。これまで個展をすることを嫌ってきたが、「広い空間に写真を引き伸ばして展示し、写真力と空間力を競わせてみたかった」と、初めての大規模個展を決めた。一番大きな作品は約8.2メートル×2.8メートル。これまで7会場で約24万人を動員した。
会場は「GOD 鬼籍に入られた人々」「SPECTACLE 私たちを異次元に連れ出す夢の世界」「STAR すべての人々に知られる有名人」「BODY 裸の肉体、美とエロスと闘い」「ACCIDENTS 2011年3月11日、東日本大震災で被災された人々の肖像」の5部で構成。
「GOD」では「亡くなった方で、撮影した中でも鮮烈に記憶に残っている人」として「男の死」をテーマに撮影した三島由紀夫さんなど、「SPECTACLE」では「舞台での真剣な姿を」と、歌舞伎の本番中に会場の後ろから望遠で撮影した歌舞伎役者らの写真を展示。「STAR」は舟木一夫さんからももいろクローバーZまで、それぞれの時代に輝いているスターたちを、「BODY」では社会現象にもなった写真集「Santa Fe」の宮沢りえさんら女優から力士まで、さまざまなヌードを展示する。
篠山さんが初めてドキュメンタリーに挑戦した写真を展示する「ACCIDENTS」は、東日本大震災発生50日後に仙台市や気仙沼市などで撮影したもので、被写体には何も要求せずありのままの姿を撮影したという。
「パネルの前に立つと写真集で眺めているのとは違い圧倒される。写真を通じて被写体の素晴らしさを感じてもらいたい」と同展を主催する読売新聞の石井明美さん。
開催時間は11時~19時(5月3日~5日は10時~20時)。入場料は、大人=1,100円、大学・高校生=800円、中学・小学生=500円。5月18日まで。