4月26日に開業するグランフロント大阪「ナレッジキャピタル」で3月26日、「ナレッジシアター」(大阪市北区大深町)のこけら落とし公演「ロボット演劇版『銀河鉄道の夜』」の稽古場公開と制作発表が行われた。
宮沢賢治原作の同作品を大阪大学教授で劇作家の平田オリザさんが作・演出する同公演。ロボット・アンドロイド開発者の同大学教授・石黒浩さんが開発したロボット「ロボビー」、吉本興業のタレントオーディション、一般オーディションで選定された俳優が共演する。吉本タレントオーディションでは、出演が決定している宝塚歌劇団花組出身の愛純もえりさんに加え、「ロケみつ~ロケ×ロケ×ロケ~」に出演中の桜 稲垣早希さんの出演も決定した。
会見では、ナレッジキャピタルの間渕豊専務理事が「大阪大学ロボット演劇プロジェクトと吉本興業のタッグで、演劇の感性とロボット技術、吉本興業のエンターテインメントが融合する世界初演の作品が関西から発信できるのがうれしい」とあいさつ。平田教授は「博覧会や未来館のようなところでしかロボットを見たことがない人が多く、これまでは感心はしても感動はされなかった。人を感動させるロボットを作りたいとやってきた」とプロジェクトの経緯を説明し、石黒教授は「場面に応じてどのようにすればいいのかを研究する上で演劇は大事。積み重ねることで人間らしいロボットができる」と、プロジェクトの目的を話した。
会見前には、「ロボビー」と俳優が冒頭のシーンとジョバンニが銀河鉄道の旅に出るシーンを披露。1000分の1秒までせりふの間を設定できるという「ロボビー」は現在、1センテンスの中に違う長さの間をインプットする設定まで終わっている状況で、これから手や顔、体、目の動きをプログラミングしていくという。稽古はほぼ毎日行い、「稽古中にプログラミングしながら進めている」と平田教授。
会見に臨んだ稲垣さんは「私は飛行機の移動の間にせりふを覚えているのに、ロボビーは10秒ぐらいでインプットできてずるい。こっちが間違えても助けてくれない」と恨み節をぶつけながらも「人間じゃないのに愛情を沸かせてくれるすごい存在」と話し、愛純さんは「まだプライベートで仲良くなっていないので、帰りに梅田で飲むぐらい仲良くなりたい」と、それぞれ初めてのロボットとの共演について話す。ロボビーは「きれいな女優さんたちと共演できてうれしいです。お世辞も言える高性能ロボットです」とあいさつし、会場に集まった記者を笑わせた。
公演は5月2日~12日の全26ステージで、上演時間は1時間。俳優4人とロボビーの2チームが演じる。チケット料金は、大人=2,500円(当日3,000円)、高校生以下=1,000円(同1,200円)。チケットぴあ、ローソンチケット、CNプレイガイド、イープラスで販売中。