芝田町画廊(大阪市北区芝田2、TEL 06-6372-0007)で9月22日、若手書家・山村龍和さんの20周年展「龍和展」が始まった。
親の勧めで7歳の時に書道を始めた山村さん。書芸コースのある奈良県立桜井高等学校に進み、2008年より書道家として活動する。現在はクライアントのロゴ制作や進物用の書作品制作、セミナー講師などで活躍している。
今回の個展は山村さんが書道を始めてから20年を記念したもので、個展の開催は初めて。会場にはストーリーを設定し、始めは高校の卒業制作で書いた作品など、自身が積み上げてきたものを展示。会場中央には、東日本大震災発生により感じた無力さと恐れを表現した「壊」の文字を書いたオブジェ、原発問題の終息を願い伊勢神宮の水で書いた「水」「祈」、心の中を見つめ直す「観」の作品を展示する。
その先には「アバンギャルド的な要素も入れた」という「今人(イマジン)」の書や、臨書のオブジェなどを展示。オブジェを地球に見立て、両側に「月」「日」の作品を並べて「三位一体」「和」を表現した。
24日には、将棋棋士の羽生善治さんをゲストに迎え「直感力と次世代の生き方」をテーマに対談イベントを開催。質疑応答など来場者との交流の時間を多くとり、「横のつながりが不可能を可能に変えるということを、交流を通じて持ち帰ってもらいたい」と話す。参加費は、事前申し込み=5,000円、当日=6,000円。収益の一部は、東日本大震災被災地の農漁業経営者や台風12号で被害に遭った奈良県、和歌山県に寄付するという。
今後は国内で個展活動を行い、その後はニューヨークやパリで書の道を開拓したいという山村さん。「龍が悠々と大空を翔る様子、本名の勝平と合わせ『平和』になるように」と「龍和」の雅号を恩師からもらったという山村さんは、「これからも『世界平和』をテーマに掲げ発信していきたい」と話す。
開廊時間は10時~18時(最終日は15時まで)。入場無料。今月27日まで。