関西大学社会的信頼システム創生センターの企画で同大学社会学部の学生らが天神橋筋・中崎町かいわいの古書店マップを作成し、11月9日より無料配布を始めた。
同企画は今年7月、同大学が天神橋筋商店街3丁目に研究・社会連携拠点・関西大学リサーチアトリエ「楽歳天三・天満天神楽市楽座」(大阪市北区天神橋)をオープンしたことを受け、「徒歩圏内に約30の古書店があるが、古本のまちとしての認識は一般的に低く、また古書店の人が他の古書店がどこにあるかあまり知らない」ことから、地域活性化補助事業の一環として地図制作を企画。アトリエ代表を務める与謝野有紀教授のゼミ生ら3人が1店ずつ古書店を回り情報をまとめた。
マップはB4両面刷りで、南北は中之島から長柄西、東西は大川から御堂筋のエリアに古書店30店と史跡などを記載。裏面には各店の基本情報と専門ジャンルをまとめた。マップは3,000部用意し、掲載店と同アトリエで無料配布している。好評で、15日には1,000部を追加印刷した。
企画・制作は、同センターのリサーチアシスタントの松岡慧祐さんが担当。「エリア決めが難しかった」といい、「商店街というよりは面的な広がりを捉えたかった」と中崎町や中之島周辺までのエリアをカバーした。同マップを手描きで作画・作成した4回生の池田奈緒さんは「初めての人でもマップを見て行けるように細かく描いた」、調査・作成を担当した川辺陵司さん(4回生)は「古書店以外の情報を古書店から得てマップを作れた。史跡なども記し、ちょっとした観光マップになった」と振り返る。
マップが完成し、「地図制作をきっかけに商店街の発展につながれば」(松岡さん)、「史跡がしっかりかかれているので、大阪の歴史を感じながら古書店をまわってもらいたい」(川辺さん)、「実際に持ってまわってもらうと古書店以外の好きな店もみつかると思う」(池田さん)と、それぞれ期待を込める。
マップ作成時には、店の概要のほか、店を開いた理由、平均来店客数、顧客の年齢層、売り上げの遷移、客単価、他の各古書店と交流があるかなども調査。1カ月後に再び各店を回り、マップ作成により売り上げが伸びたか、他店との付き合いが増えたかなどを調査・研究する。
同アトリエの開設時間は10時~17時。日曜・月曜定休。