阪急うめだ本店(大阪市北区角田町、TEL 06-6361-1381)11階美術画廊で11月11日、「~サンタクロースは地球に『愛』と『恵み』を贈ります~小出真己『サンタ★クエスト』絵画展」が始まった。
滋賀県出身の小出真己(こいでまさき)さんは、グラフィックアーティストとして企業や官庁、テレビ、国内外のイベントで活躍後、「時代のトレンドを求める商業デザインではなく、人間にとって一番大切な家族や家庭へ入り込める絵画を描きたい」と画家に専念。現在は慶事切手や冬のグリーティング切手、かもめーる絵葉書、ユニセフ・グリーティングカードなど、社会性の高いものの原画を手掛けるほかは絵画に取り組んでいるという。
「20年前ごろ、ユニセフのグリーティングカードの仕事をした時にクリスマスカードを依頼され、初めてサンタクロースを描いた」といい、それ以来「大人の幻想的な世界を描きたい」と、ライフワークの一つとしてサンタクロースを描き続けている。同店では2003年にサンタクロースをモチーフにした絵画展を行い、以来2年に1度絵画展を開催している。
今回の絵画展のテーマは「すべての命を育む地球の未来」。「人間が人間らしさを取り戻すためには、人間が自然観を持つことが大事」だといい、「動物や自然との共生が人間と未来を大事にすることにつながる」というメッセージを込めた。またブルーを基調とする小出さんの絵だが、今回は殺伐とした世の中に対し「透明感が出ているクリアなブルー、やさしいブルー」を用いたとも。作品は、「壁に窓が無いなど、都市生活での満たされない空間を満たしたいと『窓』をイメージして作ってもらったフレーム」に収められている。
小出さんは制作時、「時間経過が含まれることが大事」だという。仕事場にはイーゼル7台ほどを並べ、下絵も決めず少しずつ仕上げるスタイルをとる。「描いているときに時間や季節が流れることで、見ている人が時間を感じることができ、飽きがこない」という。「見る人とともに創る世界がないと面白くない」と、作品に「すべて」を描き込まないのも小出さんのスタイル。サンタクロースの後ろ姿が多く登場するのも「想像ができるから」。「多くの方にいつまでも子ども心を持ってもらいたい。親の心が豊かであれば、子どもの心も豊かになる。そういうものを表現できれば幸せ」とも。
原画はすべて販売も行う。原画以外にもカレンダー(1,260円)、絵本(1,470円~)、ポストカードセット(1,050円)も販売する。開廊時間は、日曜~火曜=10時~20時、水曜~土曜=10時~21時。今月17日まで。