大阪在住の高校生アーティスト・林俊作さんは、夏に開催する個展に向け会場となるHEP HALL(大阪市北区角田町、HEP FIVE8階)で約3日間かけ、縦1.8メートル、横3.6メートルの大型作品「文明開化の音が鳴る」を完成させた。
1992年生まれで、現在は関西の学校に通う高校2年生の俊作さんは7歳でCGアートを描き始め、小学生のころから「天才少年アーティスト」として話題に。2004年・2006年に「たけしの誰でもピカソ」(テレビ東京)や、2006年に雑誌「AERA」(朝日新聞出版)など各方面のメディアにも取り上げられている。国内外での活動も多く、2007年には画集「心臓とダチョウの羽」(リトルモア出版)も出版した。
過去に同ホールで開催した個展では、2006年「画爆TERRO」で4,953人、2007年「爪で歩く者」では10,235人の来場者を数えた。同ホールスタッフの大西聖子さんは「色彩が鮮やかだからか絵を見て喜ぶ子どもも多く、会場に1日中いてじっくり見ている人もいた」と振り返る。「『自分もまた絵を描いてみたくなった』など、刺激を受けた人もいたようで、アンケートには熱い意見が多かった」とも。
「大きい作品が多い。家で描くときは(キャンバスを)L字に折って置く」という林さんは、ステージ中央に置かれたキャンバスの前で「広々とした気持ちになれるので描きやすい」と話し、ペンキやフェルトペンを中心に時折手や指で色を重ねるなど黙々と創作を続けた。
日ごろから同ホールのスタッフとも親交がある俊作さんについて、大西さんは「普段は普通の高校生。会うたびにどんどん成長しているのを感じる」と話しながら、キャンバスに向かう俊作さんを見守る。
8月の個展では、会場の壁面いっぱいに置けるだけの大きなサイズのキャンバスを用意する。真っ白なキャンバスが10日間かけ、作品に仕上がる過程を見せるライブペインティングがメーンで、前回の個展以降に描きためたドローイング作品も展示する予定。
今回の創作活動の様子は、個展期間に会場で販売するパンフレットなどにも掲載される。開催期間は8月18日~27日。入場無料。