「柴犬まめ」を主人公にしたポラロイド写真詩集「ぼくらは簡単なことばで出来ている」(PARCO出版)の出版記念パーティーが10月7日、堂島リバーフォーラム(大阪市福島区福島1)で開かれた。
「まめ」は昨年12月17日生まれのメスで、同書の著者の一人でもあるコピーライターの村上美香さんの愛犬。「今年2月に出会って以来、どんどん成長し一瞬一瞬が宝物に思えた」(村上さん)ことから、「まめ」との日常や旅行した様子を写した写真に、村上さんが「ことば」として詩を寄せた。写真は写真家・西真智子さん、アートディレクションはグラフィックデザイナー・東學(あずまがく)さんが担当している。
「今まで一度も犬や猫を飼ったことがなかった」という村上さんは、「まめ」との生活が始まってから「優しい気持ちになれたり散歩の時間に花の香りを感じたりなど、心のバランスがちょうどいい時間を過ごせるようになったことが大きな変化」と話す。「大阪ミナミの繁華街で生活しているので、散歩のコースも道頓堀など人の多い場所。今までなら話すこともなかっただろう人たちからもたくさん声を掛けられ、言葉を交わすようになった」とも。
コピーライターという仕事面での変化については、「今まで『愛』という言葉がピンとこずに、しゃれで逃げたりしていたけれど、まめと暮らすようになってから『この気持ちが愛と呼ぶのでは?』と気付いた。言葉の送り手として言葉に責任を持ち、これからは堂々と『愛』についても書いていける」(同)という。
村上さんは「つらい思いや苦しい気持ちを抱えて暮らしている人にとって、生きる勇気を持つきっかけになる本になれば」と話す。
1,575円。10月10日発売。