阪神電気鉄道(大阪市福島区海老江1)は、2009年春の阪神なんば線開業による近畿日本鉄道(大阪市天王寺区)との相互直通運転に対応する、急行系新型車両「1000系」の運転を9月下旬以降より開始する。
昨年100周年を迎えた同社が、次の新しい100年へ向けて最初に開発する車両ということから、9300系まで重ねてきた車系番号をリセットし「1000系」にしたという。
基本編成は現在の急行系車両と同じ6両編成。ラッシュ時に対応するため、増結用の2両編成2本が製造され、最大10両編成となる。車体には美観の保持に優れたステンレスを使用し、環境に配慮して無塗装化したという。ボディーカラーは既存の急行系カラーを引き継いだオレンジ色を配し、座席はオリーブグリーンを中心に飽きのこない色調になっている。
新型車両について、「近鉄線への乗り入れに対応するため、より安全で正確な運行をできるよう、ATS装置、列車種類選別装置、列車無線装置などの保安装置の搭載に重点をおいた」(同社広報)と話す。また「全車両への車いすスペースの設置、ドア開閉予告灯の設置、緊急時に乗務員との対話が可能な非常通話装置を1両に2カ所ずつ配置するなど、乗客が安全、安心に利用できるよう配慮した」とも。
運転開始当初は阪神本線、西大阪線のみの走行となる。