大阪・天神橋のギャラリー「hitoto」(大阪市北区天神橋5)で現在、奥田澪さんの作品展「ふっくらかがやく」が開催されている。
展示は、8号・10号キャンバスに描かれた8作品。全てシルクスクリーンで刷られたパンのある卓上の風景。2014年に開いた初の個展「明日のパンの話をしよう」以来、3年ぶりの作品展となる。
奥田さんは1990年生まれの26歳。大阪教育大学大学院の美術研究コースを修了した。2012年ごろから、繊維の目をインクで詰まらせるシルクスクリーン版画でパンの絵を刷り始めた。
大学在学中、先生に「パンがおいしそうじゃない」と言われて奮起。以来、現在までに描いた作品は全てパン。力の掛け方、刷る向き、布の種類など試行錯誤し、かすれやムラを生かした質感の出し方を探究した。
もともと大のパン好きで「パン屋へ行くと描きたいものが必ず見つかる」という奥田さん。パンのある風景は「幸せそうに見える。それだけでうれしい気持ちになる」。
パン屋で働こうと考えたことはないというが、パン屋を巡るのは好き。「パンがどれも優しい色をしている」と、大阪・十三の酵母パンと喫茶の店「ひやわま」が気に入っている。
「『おいしそう』の一つ先にある『幸せそう』と感じられるものを作品にしたい」と奥田さん。次は、バケットをちょっと大きめのキャンバスに描きたいという。
開催時間は13時~19時(最終日は18時まで)。火曜・水曜定休。入場無料。2月18日まで。