ルクアイーレ(大阪市北区梅田3)9階に5月8日、カルチュア・コンビニエンス・クラブの「梅田 蔦屋書店」がオープンする。
全国で書店、商業施設、図書館、家電販売店などを展開する同社。「蔦屋書店」のブランドで都市部の駅直結立地に出店するのは初めてとなる。
店内は、照度を落とした小暗い空間に、柱、床、天井に至るまで木質感のあるシックな風合いで統一している。「全体の空間コンセプトは店ではなく家。照度もインテリアも、家の中をイメージして居心地の良さを最優先した」と同社担当者。
ルクアイーレのグランドオープンから36日遅れの開店となる同店は、9階のワンフロア1205坪(3983平方メートル)に全面展開。広さは同社のフラッグシップである「代官山 蔦屋書店」(東京都渋谷区)の全3棟がすっぽり入るほどで、書籍は約20万冊、座席は500席を備える。フロアを1周する楕円(だえん)の周回路「マガジン ストリート」は全長155メートルで、延々と書棚と平台の列が続く。
広さもさることながら、同店最大の特長は書籍販売にとどまらないライフスタイル提案への注力ぶり。書籍の分類を、従来の雑誌、書籍、コミックといった流通の基軸ではなく、設定したテーマごととし、関連するサービスを提供できるテナントを、そこに組み合わせている。
例えば「ワーク スタイル」(343坪)には、大人の雰囲気を持ちビジネス利用もできそうなカフェ「ル・ガラージュ」、大阪本町の靴磨き専門店「バーニッシュ」などが出店。「ビューティアンドヘルス」(94坪)には、ネイル・ヘアカラー・ヘッドスパの「Cu by Uka」や、旅行相談の「JTB」、「ラグジュアリー ライフ」(268坪)には「スターバックス コーヒー」が出店した。ほかに「マガジン ストリート」(172坪)、「コミュニケーション」(153坪)の全部で5つのテーマがあり、各コーナーに客からの要望や相談にも応じる「コンシェルジュ」と呼ばれる案内係を置く。
同店館長を務める小笠原寛さんは「例えば参考書は扱っていないし、コミックも少ない。あえて絞り込んで徹底的に掘り下げている。今の時代、本をたくさん並べるだけではお客さまに選んでいただけない。一人一人の基軸に合わせたライフスタイル提案をするような場所を提供していきたい」とコンセプトを語る。
営業時間は7時~23時。