阪神電鉄は1月7日、今月9日~11日に西宮神社で執り行われる「十日えびす(えべっさん)」のPRイベントを阪神梅田駅で行った。
十日えびすのPRと電車の安全運行を祈願して行う新春恒例となった同イベント。阪神タイガースのマスコット「トラッキー」をあしらったオリジナル熊手の配布や、縁起のいい「戎舞(えびすまい)」が見られるとあって毎年多くの人が集まる。オリジナル熊手は12時30分からの引換券配布にもかかわらず、朝8時台から並んでいる人の姿もあった。2010年からは大阪難波駅、昨年からは阪神三宮駅でも同様のイベントを開いている。
淡路人形座が披露した「戎舞」は、えびす様が庄屋を訪れて酒に酔い、漁に出てタイを釣り上げる縁起のいいストーリーで、来場者は「十日えびす開催を祝して」「阪神電車の運行の安全を願って」「阪神タイガースが今年こそ優勝できることを願って」など、さまざまな願い事を肴(さかな)に一杯、また一杯と酒を飲むえびす様の姿を楽しんだ。
その後は、西宮神社・権禰宜(ごんねぎ)の泉さんが登場し、「えびす様は漁業繁栄、安全運航の神様だったが、魚を釣る人が食べるだけでなく市場で売り始めたため商売繁盛の神様となった」と由緒を解説。「まず本殿のえびす様にお参りしていただき、人形遣いの神様・百太夫神社、大黒様の大國主西神社、えびす様の荒御魂(みたま)を祭るあらえびす神社を参ってほしい」などと話し、同神社の巫女(みこ)から安全運行を祈願する大熊手が山本梅田駅駅長に贈られた。
十日えびすでは、前日の8日に特大マグロを奉納する「招福大マグロ奉納式」、9日14時からは日本最古の温泉・有馬温泉の金泉を奉納する「有馬温泉献湯式」、10日6時からは本殿に一斉に走り参る「開門神事福男選び」が行われる。期間中は約800軒の露店が軒を連ね、毎年100万人を超える参拝者でにぎわう。