大阪大学医学部付属病院跡地(大阪市福島区福島1)の再開発を進めてきた水都・OSAKAαプロジェクト推進協議会は3月4日、街区全体を「ほたるまち」と命名したと発表した。併せて、アートディレクター・古平正義さんによるロゴデザインも公開した。
同再開発計画は1993年に阪大病院が移転した後、大阪市が設置した諮問機関から「水の都・大阪の復活につながる街づくりを」との提言を受け、UR都市機構のコーディネートのもと行われた事業コンペで計画が決定、URと朝日放送、ビープラネッツ、オリックス不動産など8社で構成されるプロジェクト推進協議会が街づくりを進めてきた。
「ほたるまち」は、「文化・情報を発信する」「水辺に人のにぎわいを呼ぶ」「都心に快適に居住する」の3つの機能を持たせ、朝日放送新社屋、多目的ホールの「堂島リバーフォーラム」、商業棟と、超高層の「The Tower Osaka」、賃貸の「リバーレジデンス堂島」のマンション2棟で構成される。また、「水上の舞台」をイメージした船着き場を設け、中之島・道頓堀間を回遊するクルーズ船の運行も計画するほか、慶應義塾大学創始者・福澤諭吉がこの地で生まれたことにちなんだ誕生記念碑を建立し、慶應大阪リバーサイドキャンパス(仮称)の開設も予定されている。
ネーミングを担当したコピーライターの道面宜久さんは「淀船の 竿の雫も ほたるかな」という与謝野蕪村の俳句にヒントを得て、本物のほたるの光を呼び戻すことは不可能かもしれないが「きらびやかな光ではなく、ほたるのようなやさしい光で川を照らす街になってほしい」との思いで名付けたという。
5月2日に街開きのセレモニーを行い、ホールとロイヤルホテルカフェ&バー「リバーサイドテラス」がオープン、順次その他の商業施設が開業する。