48時間で短編映画を製作するコンペティション「The Osaka 48 Hour Film Project」のキックオフイベントが10月5日、堂島で開催された。
「The 48 Hour Film Project」の総合プロデューサー・マーク・ラポートさんが2001年、「48時間で映画を作るとどうなるか」と思いつき、ワシントンDCのフィルムメーカーらと挑戦したことから始まった同プロジェクト。以降、映画製作の推進とフィルムメーカーの成長を使命に掲げたコンペティションとして毎年開催されている。昨年は世界96都市で開催され、6万人近くの参加者によって約4000本の作品が作られた。日本では昨年から大阪で開催し、今年は105都市が参加をしているという。
参加資格はプロ・アマ問わず、脚本、撮影、編集全ての過程を48時間以内に行い、本編4~7分の短編映画を製作。今年は、コメディー、ファンタジー、ホラー、ロマンス、サイレント・フィルムなど14のジャンルを用意し、キックオフイベントでのくじ引きで各チームの製作ジャンルが決まる。「48時間という時間制限のある中でアイデアや行動力が問われるので、海外では若手が元気だが、大阪では30~40代のプロが、元気がある」とThe Osaka 48 Hour Film Projectプロデューサーの森亮太さん。今年は映像製作を学ぶ学生、インディーズ、プロなど23チームがエントリーした。
フィルムコミュニティーの拡大を目指す同プロジェクトでは、参加者同士の交流を目的にキックオフイベントを開催。CMやVPを手掛ける富田綾子さんは、同イベントを知った昨年はエントリーに間に合わず、「仲間内で参加したい気持ちがふつふつと沸いてきた」と今年、チーム「zako film」としてエントリー。「ジャンルは何がきても大丈夫」と自信を見せ、「初参加だが賞は狙いたい」と意気込む。集まった参加者らは順にくじを引き、各チームのジャンルが発表される度に会場ではどよめきが起こった。富田さんのチームは「ミュージカルorウエスタン」を引き、昨年大阪で優勝したチーム谷四は「ドラマ」を引き当てた。
イベントではジャンルの決定以外に全てのチーム共通で、何らかの形で映画に登場させなければいけない「お題」も発表。今年のキャラクターは「東健太または亜希」、職業は発明家、小道具はサイコロ、せりふは「それだけは勘弁して」。ジャンルやお題が決まると各参加者は会場にいないメンバーに伝えるため、電話を掛けるなど騒々しさを見せた。
参加者らはそれぞれ製作現場に戻り、7日19時30分までに作品を完成させで提出。提出された作品は今月13日に「クレオ大阪南」(大阪市平野区)でA・Bグループの2部に分けプレミア上映。入場料は1部につき1,000円。上映後、審査員による審査と「観客賞」を決定する一般投票により各賞を決定。優秀作1作品がハリウッドで開催する映画祭「Filmapalooza」に推薦され、同祭で上位10作品に選ばれると2013年度カンヌ映画祭短編映画部門で上映される。受賞作品はホームページ上で10月末ごろ発表される。
森プロデューサーは「映画祭では普段味わえない雰囲気を味わえ、いろいろな国の人と交流でき気合が変わる。今後はもっと若い子にも参加してもらいたい」と話す。