阪神梅田本店(大阪市北区梅田1、TEL 06-6345-1201)8階催場で8月22日、竜の子プロダクション(以下、タツノコプロ)が保管する原画など約300点を展示する「50周年記念 タツノコプロテン」が始まった。
タツノコプロ50周年を記念して開催する同展。挿絵画家を目指していた京都生まれの吉田竜夫さん(長男)、紙芝居や貸本漫画の表紙絵を描きながら兄のマネジメントをしていた健二さん(次男)、兄弟の中で一番に漫画家デビューした豊治さん(三男、ペンネーム=九里一平)はそれぞれ分業で漫画を描いていたが1962(昭和37)年、漫画製作工房としてタツノコプロを設立。翌年、東映動画(現・東映アニメーション)からテレビアニメ用の企画を打診され、自社でアニメ作品を制作することを決意。1965(昭和40)年アニメ作品第1号となる「宇宙エース」が放送された。
1967(昭和42)年には、2作目として竜夫さんが少年画報で連載していた「パイロットA」をアニメ化した「マッハGOGOGO」を初のカラー作品として制作。「当時は3頭身のキャラクターが人気だったが、挿絵画家を目指していた竜夫さんはリアルな人間にこだわり難しい絵を描いていた。アメコミに影響を受け、海外に持っていけるよう意識していた」と同展の監修を務めた企画制作事業部の長尾けんじさん。当時は制作会社も多くなく、いろいろな業種の人を集めて手探りで自社教育しながら制作体制を整えていったという。
1970(昭和45)年放送の「昆虫物語みなしごハッチ」で広く認知された同社は「やりたかったヒーローものも作れる」(同)と、「科学忍者隊ガッチャマン」「新造人間キャシャーン」などを制作。その後も「タイムボカンシリーズ」「ハクション大魔王」などヒットアニメを次々と送り出した。
同展では、竜夫さんや九里さん、当時活躍していたアニメーターが描いた肉筆原画やアニメ用設定画、セル画、映像やフィギュアなど約300点を展示。「当時、色付けやエアブラシは専門の業者に出すところが多かったが、タツノコプロには社内に専属の人がいた。ハッチの羽の薄塗など丁寧にしているので見てもらいたい」と長尾さん。見どころは「現在はデジタルだが90年代まではセルアニメだったので、セル画を至近距離で見ていただける」といい、「50年の長い歴史の中でどのように変化していったのかを見てもらいたい」と話す。
物販ブースでは、シリアルナンバー入り「マッハ号」(18分の1スケール、ナチュラルメタル仕様=3万9,900円)や、竜夫さんの娘・すずかさんが手掛ける「アクビガール」グッズ、文具、DVD、雑貨などのキャラクターグッズを販売する。
期間中、館内各フロアでは「ハクション大バーゲン」を開催。地下1階では「ハクション大魔王」の好物、ハンバーグ21種類を特別価格で販売するほか、赤ワイン6本セットを8,940(ハクション)円で販売するなどの企画を展開している。
開催時間は10時~20時(最終日は16時まで)。入場料は、一般=500円、学生=300円、小学生以下無料。今月28日まで。