アートと地域をつなぐコーディネーターの育成を目指す芸術創造活動支援事業実行委員会は10月22日より、初心者向けアートイベントコーディネーター育成講座「アートのつなぎ手講座」を開講する。
企画は、近代建築・登録有形文化財の保存・活用に関するコンサルティングや学習会、アートプロジェクトのコーディネートなどの活動を展開するNPO法人銀聲舎(ぎんせいしゃ)。近代建築の保存・活用に関心を持つ近畿在住の社会人、学生ら約25人で構成し、各地のアートイベントに関わる中で「アーティスト、ディレクター、地域の皆さんとともに、『アートのつなぎ手』となるコーディネーターが重要だと説いており、日本ではこうしたコーディネーターを育成する大学・学科がないことから育成講座を企画した」(銀聲舎代表世話人の松尾寛さん)という。
対象は「アートに関心があるが、何をすればいいかわからない人」で、アートに関する知識は必要ない。第1回講座は「アートプロジェクトの最前線からみる『地域』」と題し、1日目の10月22日は国登録有形文化財の芝川ビル(大阪市中央区伏見町)で、BIWAKOビエンナーレディレクター・中田洋子さん、「まちかど映画祭」を企画した映像コーディネーター・中里佳世さんを招き、今年開催されたベネチアビエンナーレや日本各地で開催されるアートプロジェクトの展望と課題について概観し、2日目の30日には大阪市内で開催中のアートプロジェクトの現地視察を行う。
11月には、第2回「たのしいパフォーマンス&フィールドワーク実践演習」、第3回「『書く』アートプロジェクト」を開講。第2回は、「パフォーマンスアート」「地域資源」をテーマとした実践演習、第3回はプロフィールやプレスリリースの書き方をテーマにしたワークショップ・講義を行う。講座では「地域の皆さんとの付き合い方、ミュージシャンを呼んだときにいつ謝金をお支払いすればいいのか、助成金の申請書をどのように書けばいいのか、といったところまで言及する」という。講座は各回2日で構成。
松尾さんは「アートは『わけのわからないもの』ではなく人の心を豊かにするためのさまざまな表現。自らの住むまちが心豊かになるアートで包まれていけば、私たちはこれからの時代をそんなに悲観する必要はないと思う。『アートと地域のつなぎ手』をテーマに、最低限必要となる知識・技能をパッケージングしたプログラムを提供するのでご参加いただければ」と話す。
参加費は各回500円。定員は各20人。詳細はホームページで確認できる。