大阪ガス株式会社（代表取締役社長：藤原 正隆）の100％子会社であるDaigasエナジー株式会社（代表取締役社長：福谷 博善、以下「Daigasエナジー」）は、株式会社前川製作所（代表取締役 社長執行役員：前川 真、以下「前川製作所」）と共同で、前川製作所の高効率自然冷媒冷凍機「NewTon」と、Daigasグループの遠隔AIエネルギーマネジメントシステム「Energy Brain」を連携させ、冷凍冷蔵倉庫において冷凍機を完全停止することなく、自動でデマンドレスポンス（以下「DR」）制御する実証に成功しました。
　今後、「NewTon」を冷凍冷蔵倉庫に設置するお客さまへの提案メニューの一つとして、両社で自動DRと機器メンテナンスを含むエネルギーサービスをセットで提供するスキーム（下図参照）を構築し、2024年度中に提案を開始します。

＜スキーム図＞



　近年、再生可能エネルギー（以下「再エネ」）の導入拡大に伴い、再エネの不安定性を補完する調整力が求められており、電力供給に合わせて需要側が消費パターンを変化させるDRの重要性が高まっています。
　冷凍冷蔵倉庫の産業用冷凍機は常時稼働しているため、年間を通じてDR対応ができれば、大きなDRリソースとして活用が期待できます。一方で、保管する商品の品質を保つための温度管理が非常に重要です。冷凍機の電源を停止・再起動するだけのDR対応では温度管理が難しく、操業に支障が出る可能性があるため、これまでDRの導入があまり進んでいませんでした。

　今回、両社は2024年7月と11月に、「NewTon」が導入されている東洋水産株式会社様の舞洲冷蔵庫及び神戸物流センター内の冷凍冷蔵倉庫で実証を行い、一般送配電事業者からのDR要請予告を受けた想定で、「Energy Brain」から「NewTon」へ制御指令を発信し、お客さまの手間なく自動で冷凍機の制御モードを切り替えてDR対応ができることを確認しました。「NewTon」の現地制御コントローラ※2と「Energy Brain」を連携させることで、冷凍機の電源を完全停止せずに制御することが可能となり、冷凍冷蔵倉庫の操業と自動DRの両立に成功しました。

　Daigas グループでは、これまで容量市場※1におけるアグリゲーターとしてお客さま
に電力負荷設備や自家発電設備をコントロールいただき、電力需要の抑制によりお客さま
に報酬をお受け取りいただけるDR サービス「D-Response」や、「Energy Brain」を用い
て自動DR や遠隔自動エネマネ等の価値を付加した各種サービスを提供してきました。
　前川製作所の「NewTon」は、DR 対応やきめ細やかな温度設定を可能とする最新の制御システムを搭載した高効率自然冷媒冷凍機です。
　両社のノウハウを組み合わせ、今後、冷凍冷蔵倉庫をお持ちのお客さまへ、自動DR と機器メンテナンスを含むエネルギーサービスをセットで提供することで、お客さま設備のイニシャルレスでの脱フロン化と、お客さまの手動操作を必要としないDR 対応を実現します。

　Daigasエナジーは、Decarbonization（低・脱炭素化）、Decentralization（分散化）、Digitalization（デジタル化）の3つのDを軸としたサービス「D-Lineup」※3を中心に、エネルギー会社の強みを活かした低・脱炭素ソリューションを提供しています。
　Daigasグループは、2025年2月に発表した「エネルギートランジション2050」のもと、脱炭素社会に貢献する技術・サービスの開発に取り組み、気候変動をはじめとする社会課題の解決に努め、暮らしとビジネスの“さらなる進化”のお役に立つ企業グループを目指してまいります。

　前川製作所は、自然冷媒を用いた製品の開発・製造を長年追求してまいりました。自然冷媒はオゾン層破壊係数 (ODP) がゼロなのはもちろんのこと、代替フロンと比べても地球温暖化係数 (GWP) が非常に低く、地球に優しい冷媒です。今後も自然冷媒を用いた高効率機器をお客さまへお届けすることで、持続可能な社会システムをつくり地球環境の保全に貢献していきたいと考えています。

※1：容量市場とは、将来にわたる日本全体の供給力(kW)を効率的に確保する市場です。
※2：冷凍冷蔵倉庫に設置されている複数台の「NewTon」を束ねてきめ細やかな温度設定等の制御を行うコントローラ。
※3：企業の様々な経営課題に対し、Daigasグループが手掛ける広範囲な事業の経験や知見を活かし、安心安全なエネルギーと
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