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天六交差点裏にカップケーキ専門店「アトリエナユタ」 築52年の古民家を改装

代表の矢野貴子さん(右)と店長の横洲真紀さん

代表の矢野貴子さん(右)と店長の横洲真紀さん

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 天神橋筋六丁目駅近くに10月28日、カップケーキ専門店「アトリエナユタ」(大阪市北区本庄東1、TEL 06-6940-7026)がオープンした。

彩り豊かなカップケーキが並ぶ

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 場所は、にぎやかな天神橋6交差点の裏、第2次世界大戦時の空襲でも焼けなかったという古い街並みの一角。白壁もまだ初々しいつつましやかな同店を開いたのは、「偶然見つけた小学校の卒業文集に『夢はケーキ屋さん』とあってびっくり」と話す矢野貴子さん(39)。

 広島県出身の矢野さんは、辻製菓専門学校への入学を機に上阪。卒業後、阿倍野で人気だったケーキ屋「ドルキス」の店長になった。その後、大型テーマパークのセントラルキッチンに転職したが、「自分がおいしいと思うものを、お客さんの顔を見ながら作りたい」と独立を決意した。

 候補地の中崎町にめぼしい物件がなかったため天六まで範囲を広げ、1963(昭和38)年に建てられた古民家を見つけた。周辺が、季節の良い頃には住民がめいめい椅子を持ち寄って道路が縁側になるような街というのも気に入ったという。

 1階をキッチンと販売所、2階を14席の喫茶空間に改装し、柱の傷や砂壁など残せそうなものは残した。2階屋根裏の木組みには、棟木に飾られた幣束(へいそく)や、梁(はり)に書き込まれた「八寸五分」の文字も。「風情あるこの地域になじむことを一番に考えた」といい、外装も質素にまとめた。

 他方、ショーケース内には彩り豊かなカップケーキが並ぶ。バタークリームは日本人の口に合うように濃さを調整し、軽さと口どけの良さを出した。「カップケーキの良さは、トレーに並べるだけで手軽にパーティーができる点」と矢野さん。「ケーキは前向きな食べ物。祝い事などうれしい瞬間に携われるいい仕事」と笑う。

 店名を「アトリエ」にしたのは、洋菓子に限らず間口を広げたかったからという。「ナユタ」は極めて大きい数を表す単位「那由多」にちなみ、多くの人が交流し、出会えるような場所になりたいという願いを込めた。

 「2階は事実上のフリースペースで、ネイル、占い、教室と何に使ってもかまわない」と話す。今後、砂糖で作るレースや、アイシングクッキーなどの教室を開くことも考えている。「地域のコミュニティーセンターのような使われ方で、どんどん人に集まってもらえたら」と矢野さんは期待する。

 営業時間は11時~20時。火曜定休。

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