岩井俊雄さんが「TENORI-ON」大阪で初実演-関テレ主催のシンポジウムで

「TENORI-ON」を実演する岩井俊雄さん

「TENORI-ON」を実演する岩井俊雄さん

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 関西テレビ放送(大阪市北区扇町)は12月21日、大阪を中心とした関西の産業や文化の創造と発信を目指した活動の一環として、「メディアアートで作る大阪の未来 シンポジウム 2007」を大阪市中央公会堂大集会室で行った。

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 関西テレビは今年2月、オーストリア・リンツにある世界のメディアアートの拠点、アルス・エレクトロニカ社と提携。シンポジウムでは、世界最大規模のメディアアートの祭典、アルス・エレクトロニカフェスティバルの紹介や受賞作品の実演を行った。

 前半は、米国出身のメディアアーティスト、ザカリー・リーバーマンさんのパフォーマンスに始まり、フェスティバルの紹介映像上映や、アルス・エレクトロニカ アーティスティックディレクターのゲルフリート・ストッカーさんによる、声に反応すると映像が生まれ、それらが動き出す「NOISE&VOICE」のデモンストレーションなどが行われた。

 後半は、九州大学大学院の学生による電子楽器デバイス「Freqtric Drums(フレクトリック ドラムス)」を使ったパフォーマンスで始まった。人間の体に弱い電流を流し、肌に触れることで音を出すもの。このデバイスを使って体を叩き合い、ほかの楽器も加わって「六甲おろし」を演奏し、会場を盛り上げた。

 「六甲おろしの後はやりにくいです」と次に登場したのは、メディアアートの第一人者、岩井俊雄さん。「少年の夢が世界に広がる~文化と産業をつなぐメディアアート」と題された講演は、岩井さんの幼少時代の写真から始まり、子どものころに刺激を受けた科学のまんがや大阪万博の話などを、写真を交えて紹介。「小学校の時に描いた『パラパラ漫画』や『おどろき盤』などがアーティストとしての原点になっている」などと話した。

 岩井さんは「音と光をどう結びつけるか」をテーマに長年取り組み、1997年にアルス・エレクトロニカフェスティバル インタラクティブアート部門グランプリを受賞した、坂本龍一さんとのパフォーマンスなどを映像で紹介。その後、6年かけてヤマハと開発した音楽インターフェース「TENORI-ON」を実演。横軸で時間、縦軸で音階をとり、16×16個のLEDスイッチによって、音楽の知識がなくても作曲や演奏ができる。「音、形、奏法があるのが楽器。パソコンなどを楽器にする人が多い中、楽器の原点に戻ったものをつくりたい」「子どものころに受けた刺激を製品として次の世代に返したい」などと話した。「TENORI-ON」は現在、イギリスだけでテスト販売中。

 最後にナレッジキャピタル企画委員会委員長の宮原秀夫さんが、2011年開業予定で北梅田開発の中核となる「北梅田ナレッジ・キャピタル構想」について話し、「新しいことにチャレンジする力や新しいものに対する目利きの力が大阪にはある」「新しい大阪を作っていきたい」などと意気込みを見せた。

交流会で「Freqtric Drums」を体験する人々(関連画像)関西テレビTENORI-ON

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