大阪天満宮表参道の飲食店「天満話房 祭屋梅の助」(大阪市北区天神橋1、TEL 090-3058-8947)が2月24日、「天満らしい」装飾を施しリニューアルオープンした。
天満地区の文化的・歴史的環境を生かし、魅力あるまちなみを作る「天満HOPEゾーン事業」の一環「まちなみ修景補助制度」を活用したもので、同店が完成第1号。同事業は大阪市が地域住民との協働で2007年度より取り組んでいる。補助の対象となる外観は、伝統工芸品・天満切子やちょうちん、梅鉢紋など天満にちなんだディスプレーになっている。
店主は井上彰さん。1997年からフリーペーパー「あるっく」(年6回)を発行し、2002年には雑誌「天満人(てんまびと)」を創刊。「天満人」は年に約1回のペースで発行を続けていたが業界の衰退もあり、60歳を機に転身を決意した。
2008年1月からは、前掛けに股引き、着物を「尻からげ」にまくりてんびん棒を担ぐ「棒手振り(ぼてふり)」スタイルで大阪天満宮や天神橋商店街の知人の空き店舗の前などに立ち、「玄米大福 ぼてふりまんじゅう」(2個入り380円)の販売を始める。同年7月には、現在の場所に入り口をビニールで覆うなどの簡単な造りの店舗を構えた。
テーブル1卓8席の店内では、「知らない人同士でも話が弾んだりして面白い」(井上さん)という。改装後には「通りすがりの人から、店頭の天満切子について尋ねられたりしながら新しいコミュニケーションが生まれる」とも。
現在は、「ぼてふりまんじゅう」以外にも「五彩おまん」(5個入り600円)、おでん(1個100円)、甘酒(300円)、アルコール類(200円~)などを用意するほか、落語の演題「時うどん」にちなんだ「時パスタ」(2種類、500円~)には14時~16時に限り「アイスもなか」(100円)をサービスする。
「以前は紙媒体を通しての天満紹介。これからは店をベースに直接いろいろな人に天満の魅力を伝えていければ。低料金でわいわいと楽しんでもらいたい」という井上さん。今回の改装について「自分だけの力ではできなかった。ご縁に感謝。表参道全体ももっとにぎわってほしい」と話す。
営業時間は10時30分ごろ~22時ごろ。月曜定休。