現代美術家・塩田千春さんの個展「塩田千春 つながる私(アイ)」展が9月14日、大阪中之島美術館(大阪市北区中之島4)で始まった。
塩田さんの出身地・大阪では2008(平成20)年以来、16年ぶりに開催する大規模な個展。塩田さんは現在、独ベルリンを拠点に国際的に活躍し、無数の糸を張り巡らせたインスタレーション作品で知られている。イタリアで2015年に開催した現代美術の国際美術展覧会「ベネチア・ビエンナーレ」では日本館代表の作家に選ばれている。
会場には、赤や白の糸を使ったインスタレーション作品を中心に絵画、ドローイング、立体作品、映像など約30点のほか、現在、読売新聞に連載中の多和田葉子さんの小説「研修生(プラクティカンティン)」の挿絵も展示する。「つながる輪」は、「つながり」をテーマに募集したメッセージが書かれた1500枚以上の白い紙を赤色の糸でつり、輪を形作った。
今回のテーマについて、塩田さんは「コロナ禍を経て、改めて多くの人とつながっていたことを感じた。コロナの間は人とつながってはいけない、距離を置いて接しなければいけなかった。コロナ禍が明けて自分が感じたことをテーマに『つながる私(アイ)』とした」と話す。
開催時間は10時~17時。月曜休館(祝日は開館、翌火曜は休館)。入館料は、一般=2,000円(平日1,800円)、高大生=1,500円。中学生以下無料。12月1日まで。