中之島に完成した未来医療国際拠点「Nakanoshima Qross(中之島クロス)」(大阪市北区中之島4)のお披露目が6月12日、行われた。
澤理事長(中央)をはじめとする「Nakanoshima Qross」関係者
21の企業と大阪府で2019年11月に設立した未来医療推進機構が核となり開発を進め、6月29日にオープンする同施設。医療機関や大学、ベンチャー企業など41の施設が入居し、官民一体で再生医療をベースにゲノム医療や人工知能(AI)、IoTなどを活用する「未来医療」の産業化と、その提供による国際貢献を目指す。施設内には京都大学iPS細胞研究財団も入り、自家iPS細胞の製造コストを抑えることを目指す「my iPSプロジェクト」も実践される。
16階建てで敷地面積は8600平方メートル、延べ床面積は約5万7000平方メートル。再生医療に関わる製品や細胞加工物の開発とその支援に取り組む企業が入居する「未来医療R & Dセンター」、同センターと連携して最先端の医療を提供する「未来医療MEDセンター」、カンファレンス施設や交流スペースを備えた「中之島国際フォーラム」で構成される。
「未来医療R & Dセンター」には、高額な実験機器を共同利用できるラボや賃貸オフィスなどを備える「三井リンクラボ中之島」、目薬やサプリメントなどを手がけるロート製薬の研究ラボ・オフィス「Rohto Cross Innovation Lab」、実験室やセミナールーム、研究室などを設けた大阪滋慶学園の「滋慶中之島センター」などが入る。「未来医療MEDセンター」には、循環器疾患専門の病院「桜橋渡辺未来医療病院」や整形外科専門の診療所「大阪中之島整形外科」、会員制の高度検診センター「ハイメディック大阪中之島」などが入居する。
未来医療推進機構の澤芳樹理事長は「従来なかったものを共同でつくる場としてこれほど格好の場はないと思っている。今まで治せなかった病気を治すことや、今までなかった産業を興していくことがこの場所ならできると考えている」と期待を寄せる。