手話や筆談など「音を使わない」方法で接客するカフェ「清浄(しょうじょう)」(大阪市北区中崎西1)が4月1日、大阪・中崎町にオープンした。
障害のある人たちに向けたSNS運用代行や動画編集などの就労支援事業を手がける一般社団法人Possible(同)が新事業としてオープンした同店。就業継続支援事業所「ABPossible」に所属する耳が聞こえづらい約10人のスタッフが店頭に立ち、会話ではなく手話や筆談、ジェスチャーなど「音を使わない」方法で接客を行う。代表の松本晴夏さんは「大学生の時、旅行で訪れたベトナム・ホイアンの聴覚障害者が働くカフェが強く印象に残っていた。環境づくりで障害を乗り越えられるという思いを体現したカフェになっている」と話す。
店舗面積は約10坪。座席はカウンターや小上がりの座敷など16席を設ける。日常の生活音や外の音に耳を傾けてもらおうと、BGMは流さない。
メニューは7種類。来店客自ら茶せんでたてる抹茶と季節ごとに変える練り切りのセット(1,540円)や温かいほうじ茶(605円)、アイスグリーンティー(660円)など。抹茶アイスクリーム(385円)やわらび餅(770円)などスイーツもそろえる。カフェの営業終了後、手話を使うスタッフがマンツーマンで手話を教えるレッスン(1時間=2,000円、抹茶付き)も行う。
松本さんは「雨の音や風の音など、普段意識して聴いていない音をBGMに、ストレスからの解放や心地よさを楽しんでほしい。手話自体に興味を持つきっかけにもなれば」と話す。
営業時間は、カフェ=11時~17時、手話教室=17時~20時。手話教室は要予約。