中之島の東洋陶磁美術館(大阪市北区中之島1)が4日12日、リニューアルオープンした。
住友グループから中国陶磁や韓国陶磁を中心とした「安宅(あたか)コレクション」の寄贈を受けた大阪市が1982(昭和57)年11月に設立した同館。約2年にわたる改修工事を経てリニューアルオープンした。増築したエントランスホールや新たにオープンしたカフェはガラス張りで、堂島川や大阪市中央公会堂を望める。同館の学芸課長代理・小林仁さんによると展示室には自然の光に近い「紫色励起LED照明」を導入したという。
同日からリニューアルを記念した特別展「シン・東洋陶磁-MOCOコレクション」を開催。同館が所蔵する約5700点の東洋陶磁コレクションから代表的作品を選び、国宝2点を含む約380点を作品の種類や作られた年代、場所など13のコーナーに分けて展示する。国宝「油滴天目茶碗」の形を再現した茶碗型のコントローラーを動かすと、モニターに見たい角度の作品の画像が投影される体験型コンテンツも用意する。
カフェでは、チョコレートムースに桑の葉型の金箔(きんぱく)をあしらった「木葉天目」、国宝の青磁に見立てた抹茶ラテ「飛青磁花生」(以上900円)のほか、作家が模様を手描きしたアイシングクッキー「陶片クッキー」(500円)など陶磁にちなんだメニューを用意。ホットサンド(2種、700円)や「絶品ローストビーフ丼」(1,400円)など軽食も提供する。
小林さんは「展示作品は変わらないが、見せ方やアプローチの仕方を今の時代に合わせた。解説などを工夫し、できるだけ多くの人に興味を持ってもらえるような仕掛けを施した。焼き物との距離を縮めてもらえれば」と話す。
開催時間は9時30分~17時。入館料は、一般=1,600円、高大生=800円。中学生以下は無料。カフェの利用は入館料不要。月曜休館。臨時休館に注意が必要。9月29日まで。