学ぶ・知る

中之島図書館で「古典籍が伝える災害」展 江戸時代の水害や地震を紹介

江戸時代の災害を紹介する所蔵品が並ぶ

江戸時代の災害を紹介する所蔵品が並ぶ

  • 19

  •  

 江戸時代の災害に焦点を当てた特別展「古典籍が伝える災害」が現在、中之島図書館(大阪市北区中之島1)3階展示室で開催されている。

大雨によって浸水した町を描いた「洪水図説」

[広告]

 同館が所蔵する資料を用いて夏と冬の年2回行う特別展。今回は、「江戸時代の災害」を中心に、被害や教訓が描かれた資料84点を「水害」「地震・津波」「火事」「飢饉(ききん)」「疫病」の5つのテーマに分けて展示する。

 「水害」では、大雨によって人の膝辺りまで浸水した町を描いた「洪水図説」、淀川で起こった洪水により、被害を受けた村を示した絵図「攝河州水損村々改正繪図(せっかしゅうすいそんむらむらかいせいえず)」などを展示。「地震・津波」では、1361年に発生した南海トラフ地震「正平地震」による津波の被害を記した「太平記 巻第36」や、地震で崩れたこうじ造り専用の部屋「糀室(こうじむろ)」を修理する様子が描かれた「安政見聞誌」などの資料も並べる。

 「火事」では、江戸時代の印刷物「かわら版」に大火事による焼失地域を図示し、火災への注意を呼びかけたという「大阪今昔三度の大火」、当時の消防活動の様子が分かる浮世絵「じれつたさう(『風俗三十二相』より)」などを展示。「飢饉」では、食べられる植物の栽培法や飢饉で倒れた人の救助法などについてまとめた書物「民間備荒録 乾」など飢饉の対応策を記した資料を並べる。「疫病」では、コレラの治療法をまとめた「虎狼痢治準(ころりちじゅん)」などを展示し、当時の医学について知ることができるようにする。

 展示担当者は「火事・地震・水害は大阪に関する資料も多い。古典籍を一度に見られる機会は少ないので、気軽に来てもらえたら」と話す。

 開催時間は10時~17時(6月17日は9時から)。日曜・祝日休館。入場無料。7月29日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース