元SKE48の矢方美紀さんのオンライン講演会「前を向いて一歩ずつ。~AYA世代のがんを知ろう~」が2月11日、梅田のアフラック生命大阪総合支社(大阪市北区曽根崎2)で開催され、現在インターネットで配信されている。
同イベントはアフラック生命保険大阪総合支社と第一生命保険大阪北支社(同)が大阪府と連携し、がん検診の大切さを周知するために企画。2019年の大阪府のがん検診受診率は、胃がんが47位、肺がんが46位、乳がんが43位と全国最低レベル。新型コロナウイルスの感染を恐れ、医療機関でがん検診を控える人が増えたため、「2020年度(4月~翌3月)の検診率は、前年より約2割減になりそうだ」と大阪府健康医療部健康推進室健康づくり課の中谷健志課長。
矢方さんはアイドルグループSKE48に7年半所属し、チームSのリーダーも務めた。2018(平成30)年4月、25歳の時に乳がんのため、左乳房全摘出とリンパ節切除の手術を受けた。現在は3カ月に一度通院しながら、名古屋を中心にタレント活動を行う。講演会の副題の「AYA(アヤ)世代」とは「Adolescent and Young Adult」の略で、15歳~39歳の年齢層の人を指し、がん治療において用いられる言葉。
講演会で矢方さんは、フリーアナウンサー小林麻央さんが乳がんを公表したニュースをきっかけに、セルフチェックで左胸のしこりを発見したことから始まり、現在も継続している治療の経験談を語った。当初は「ステージ1」と診断されながらも検査を重ねるうちにステージが上がり、最終的に「ステージ3」と診断された経緯や、治療方法選択の悩み、「がんを公表し仕事を続けたい」と決意に至るまでの葛藤、治療の副作用が及ぼすストレスなどを打ち明けた。
会場には、大阪府広報担当副知事を務めるキャラクター「もずやん」とアフラック生命保険のキャラクター「オールインダック」も登場し、視聴者に「おおさか受けてや!がん検診」と呼び掛けて講演を締めくくった。矢方さんは「まさか自分が20代でがんになるとは思わなかった。自分の発言をきっかけに、がん検診を受ける人が増えれば」と感想を語った。
アフラック生命保険の髙崎芳史大阪総合支社長は「新型コロナに関する報道が多い一方、がんで亡くなる人は毎年約38万人にも上る。コロナ禍の『受診控え』によってがんの発見が遅れることが懸念される。がん検診を定期的に受け、早期発見、早期治療につなげていただきたい」と呼び掛ける。
配信期間は今月18日まで。