関西地方の情報誌「関西ウォーカー」が7月20日、約3カ月ぶりに刊行を再開した。「紀伊国屋書店 グランフロント大阪店」(大阪市北区大深町)では同誌の再開に当たり、レジ近くに専用棚を作って特集している。
テレビ情報誌「ザテレビジョン」や生活情報誌「レタスクラブ」などを刊行するKADOKAWA(東京都千代田区)が1994(平成6)年、東京ウォーカーの姉妹誌として創刊。読者層は20~40代が中心で、「関西夏ウォーカー」など季節の変わり目には特別号も刊行している。
新型コロナウイルスの影響で4月14日発売号から休刊し、約3カ月ぶりに再開する同誌。最盛期には発行部数が60万部に達したが、携帯電話の浸透やネットメディアの台頭で最近の部数は約6万部と低迷。今号から隔週刊から月刊へ変更する。樋口正明店長は「ちょうど関西ウォーカー創刊と同じ時期に梅田本店(芝田1)の雑誌売り場を担当していたが、同誌が山積みされていたのを覚えている。それが倒れてきて下敷きになりかけたこともあった。みんな関西ウォーカーで情報を仕入れていた」と当時を振り返る。
今号では「密にならない」お出掛け特集として、滝や渓流など「自然」を多く取り上げる。編集長の本田麻己さんは「実際に編集スタッフが現地に赴き、人がほとんどいない場所かどうか検証している。読者に『安心・安全』を提供するのは手間がかかるが、今後のエリア情報誌の在り方ではないか」と話す。「ネットは情報の羅列が多い。同誌では『この次はこっちに行って、ここでご飯を食べる』というストーリーで紹介しているので迷う必要がない。30~40代の支持を集めるのはそういう分かりやすさにあるのでは」と分析する。
本田編集長は今後について「『関西の良さ再発見』として、各地を取り上げたい。インバウンドが消えた今だからこそできる企画」と展望を語る。最近の梅田エリアについて「うめきた広場で行われているビアガーデンはソーシャルディスタンスをしっかり確保していて感動した。一定の間隔を取って水に足を浸しながらお酒を楽しむお客さんがいて、理想的な涼の取りかただと思う」と話す。「大阪駅前ビルの地下街に入って、レトロな雰囲気の中食べるランチがマイブーム」とも。
3カ月ぶりの再開とあり、同店ではレジ近くに同誌の専用棚を用意。雑誌売り場の担当者は「写真も大きく、情報もまとまっているので携帯電話より圧倒的に見やすい。グループで見るときも盛り上がる」と話す。
営業時間は11時~21時。