阪急うめだ本店(大阪市北区角田町)で11月28日、同店初となる「未体験を売る」福袋が報道陣にお披露目された。
商品名は「憧れ体験福袋」。豪華客船のクルーズ旅や、通常なら立ち入れない工房への見学ツアーなど全15種類を用意する。価格は1万5,660円から、来年の西暦にちなんだ201万9,000円まで。同店広報担当者は「価格のお得感を狙って買う旧来の福袋と違い、初めて見聞きするような体験を楽しんでもらいたかった」と説明する。
その一例が「お金を積んでも入れない場所」への見学ツアー。英国王室も利用する1897年創業の英国旅行かばんブランド「グローブ・トロッター」のプランでは、一般非公開の工房を訪ねるほか、ホテルの部屋に店員が出向き、通訳を交えてその場でオーダーメードのケースを作る。企画担当者は「一般客に対して同ブランドが御用聞きで出向くのは世界初」と話す。
企画段階での交渉は難航。ブランド側から「いったい当社に何のメリットがあるのか」と問われるなどしたが、日本での知名度拡大に加え「新天皇即位に伴う改元という特別な時期に特別な体験を提供したい」と説得、王室を持つ英国人の心を打ったことで不可能に思われた企画が実現したという。1組2人限定で、価格は最高額の201万9,000円。
同じく最高額の「ドレス&ビューティー&クルーズ」の福袋は、「平成の最後にきれいな自分を残す」がテーマ。ドレス選び、エステ、写真撮影、明治時代の迎賓館「長楽館」での宿泊を経て、客船「ダイヤモンド・プリンセス」で九州・韓国を6日間旅する。1組2人限定で販売する。
そのほかにも、ミシュランガイドで星を獲得したフレンチレストラン「リュミエール」のシェフ、唐渡泰さんが自宅に出張し、フランス料理のフルコースを作る30万円のプラン(1組4人分で3組限定、追加1人=3万円)や、有名ファッションブランド「デンハム」のデザイナー、ジェイソン・デンハムさんを日本に招き、一緒に特注ジーンズを作る20万円のプラン(1人限定)なども用意する。
阪急うめだ本店の担当者は「2019年は新元号の幕が開け、夢が膨らむ年。新しい時代の新しい夢を後押ししたい」と話す。
各福袋は12月から専用ウェブサイトなどで販売予定。