クリエーター支援施設「メビック扇町」(大阪市北区扇町2、TEL 06-6316-8780)で現在、展覧会「my home town わたしのマチオモイ帖(ちょう)」が開催されている。
クリエーターがそれぞれの大切な町を冊子や映像で紹介する同展。開催のきっかけは、グラフィックデザインなどを手掛ける一八八(中央区)のコピーライターで大阪在住の村上美香さんが2011年、生まれ故郷の広島県尾道市因島重井町に帰った際、同町で配布する冊子「しげい帖」を作ったことから。
東日本大震災発生後、多くのクリエーターたちが「何ができるか」を模索していた中、「しげい帖」に共感したクリエーターは多く、村上さんらが知人のクリエーターに呼び掛け同年6月に開いた「ソーシャルプロポース~クリエイターが社会に対してできること」展では、34の「マチオモイ帖」を出品し話題を集めた。
マチオモイ帖は、「クリエーターであること」「自分の視点を大切に、自分の好きな街の本当ことを描くこと」を条件に募集するもので、今年で4回目。今回は新作ブック209作品、映像30本を加えた1033作品を展示する。同施設と4人のメンバーで始めた制作委員会は若手の賛同者を加えて現在は10人程度に増え、その輪を広げながら多くのクリエーターを巻き込み作品を増やしている。
「普段おとなしい人がすごくいい作品を作るなどしていて面白い」と村上さん。福井県大野市のブック3冊と映像1本を作った中村佳苗さんは「仕事として請けていると個性を消さないといけないが、仕事の付き合いでは見えてこないものが見えて面白い」と話す。
昨年も開催した展示に参加する作家たちのトークイベント「マチオモイサロン」は、「会場に来ている人だけでなく、遠くにいる人にも作り手のいい話、深い話を聞いてもらいたい」と、今年は会場内に「マチオモイラジオ局」を開設し、インターネットラジオで公開生放送する。「ラジオはパーソナルなメディアなので、マチオモイ帖と同じパーソナル感で似合う感じがした」と企画した。期間中、15回の放送を予定する。
開催時間は、11時~21時(土曜・日曜・祝日は19時まで)。入場無料。今月29日まで。