梅田・堂山町の駐輪場「ウメチャリ」で5月31日、「壁面アート化大作戦」の3回目が行われ、巨大アートが完成した。
北野連合振興町会が代表となる自転車管理運営委員会が昨年3月にオープンした同駐輪場。周辺一帯は自転車放置禁止区域に指定されており、周辺の商店会や振興町会が出資し収容台数150台の駐輪場をオープンしたが、オープンから2~3カ月たったころ、壁面にスプレーで落書きをされた。「割れたガラスや落書きをそのまま放置すると犯罪の温床になり、落書きがされている場所に自分の自転車を止めたいとは思わない」と、同委員会では3月11日、落書きを消す活動を行った。
5月1日には、地域住民や違法駐輪について学ぶゼミ生、北区地域福祉アクションプランのメンバーらが参加し、白く塗られた壁面に下絵を描写。「堂山で働いている人や住んでいる人」をテーマにした人物を描いた。
5月17日、24日、31日には描いた下絵に色を塗るイベントを開催。フェイスブックや新聞記事を見た親子連れや芸大に通う学生、近所の店主らが参加し、1回目・2回目は各47人、3回目は45人が参加。壁面のアート化が進められた。「参加者は絵心のある若い人が多く、レベルアップした。脚立や水を借りるなど近所の人とも交流ができ、注目もされている」と同委員会の難波啓祐さん。「壁面アートをする前は立ちションや吐しゃ物が多く、掃除してからじゃないと始められなかったが、絵を描いていくうちに少なくなった。駐輪場の利用者も増えている」と手応えを感じている。
塗り絵に3回参加したという会社員の30代女性は、「ボランティアはしたことがなかったが、遊んでいる感じでよいことをしているのが面白いと思った。無理をせず楽しんで面白いのがいいし、毎回出来上がっていくのが見えるのがよかった。いろんな人とも知り合いになれた」と笑う。
同委員会では今後、周辺店舗に向け、従業員がどこに自転車を止めているかを把握するよう呼び掛けるほか、曽根崎警察署と共に違法駐輪するユーザーに対し、駐輪場への停車を呼び掛けるチラシを配布するなどの活動を行う。