食・楽・健康協会(東京都文京区)は5月23日、堂島のお好み焼き店「なんでんねん北新地店」(大阪市北区)で「低糖質お好み焼き」の発表試食会を行った。
厚生労働省が2007年に実施した国民健康・栄養調査によると、糖尿病の疑いが強い人は約890万人、可能性を否定できない予備軍は1320万人と、全国の血糖異常者は推定約2210万人。この結果を受け2013年に設立した同協会は、「おいしく、楽しく食べて、健康に~低糖質から始めよう~」をテーマに、低糖質素材研究やメニュー開発、啓発活動に取り組んでいる。
今月22日~24日に大阪で開催された日本糖尿病学会に合わせて行われた同発表試食会では、ふすま粉を使った3種類の低糖質お好み焼きを発表。試食に先立ち、同協会の山田悟代表理事は「これまではエネルギー制限食が主流でおなかがすいても我慢するしかなかった。小麦粉は70~80%が糖質だが低糖質お好み焼きでは20%ぐらい。おいしい低糖質食を楽しんでもらいたい」とあいさつした。
メニュー開発には、お好み焼きの普及啓発を図る「にっぽんお好み焼き協会」と、健康食育推進組合が協力。にっぽんお好み焼き協会の佐竹真綾会長は、「生活習慣病の改善にお好み焼きの新しい提案ができるのではと取り組んだ。大衆食なので目を向けてもらうと大きなムーブメントになるのでは」と話し、健康食育推進組合代表理事で管理栄養士の辻庸子さんは「ふすま粉を使ったが匂いや粘り気がないので改善するのに何枚も焼いて試作した。普段は病人向けのメニュー開発が多いが、予防の習慣付けになるきっかけとして低糖質のお好み焼きができれば」と意気込む。
同メニューではパサパサ感を改善するため、生地に多めの卵や豆腐を採用。匂いはチーズや大葉を混ぜ込むことで低減させた。豚玉は豚肉を細かく切って生地に混ぜ込み、生地にしっとり感を出す工夫をしたという。「お好み焼きソースには糖分が多く含まれるため、オリジナルソースを使っている」とも。
試食会に参加したJA秋田厚生連 平鹿総合病院 管理栄養士・日本糖尿病療養指導士の木村京子さんは「めんたいこマヨネーズのいか玉がおいしかった。食の選択肢があるのはいいこと。みんなと同じものが食べられないのは患者にすれば悲しいことなので、ぜひ広めてもらいたい」と期待を込める。
商品化の時期は未定。