大阪市北区は3月14日、人を通して北区の魅力を発信するフリーペーパー「つひまぶ」を創刊した。
北区魅力創造プロジェクトの一環として昨年9月、「北区魅力発信サポーター」を公募した同区。サポーターには、「大阪市の北区をグルグル巡るブログ」を運営する浅香保ルイス龍太さんや、大阪ツアー「OSAKA旅めがね」のエリアクルーを務める藤堂千代子さん、大阪の街角ぶらぶら配信「なみはやノーツ」の山本宜弘さんら8人が集まり、北区では発行されていないフリーペーパーを刊行することが決まった。
名称の「つひまぶ」は、「つながる・ひと・まち・ぶんか」の頭文字を取ったもの。「多分なかなか覚えられないと思うので、『ひまつぶし』とか『ひつまぶし』とか間違ってくれたらめっちゃうれしい」と浅香保さん。サブタイトルは「キタを愛する人たちのための、キタを再発見するマガジン。ネットに載らない情報てんこ盛り」とし、都心でありながら細かいネットワークが張り巡らされ、さまざまな人がいることからキタエリアの一番の魅力を「人」と位置付け、人にスポットを当て取材・編集した。ターゲットは「ビギナーではなく、キタに住んでいる人や街にいる人。勤務地だったり飲みに行ったりはするけど街の歴史はあまり知らない人」。
巻頭では5ページにわたり青空書房の坂本健一さんを特集。同店は定休日には「ほんじつ休ませて戴(いただ)きます」の文字に絵や言葉を添えた温かいポスターを張り出す、終戦直後から続く中崎町の古書店で、昨年末に閉店したが1月には元の店の近くで営業を再開。記事では坂本さんへのインタビューとともに、過去に張り出されたポスターの絵と言葉を特集している。
キタのフリーペーパー「あるっく」の編集・取材・執筆から広告営業、ポスティングまでを1人でこなし、タウン情報誌「天満人」を発行した井上彰さんが寄稿する「まちの記憶」では、昭和30年代のキタを当時の写真を交えて紹介。キタの手土産、駅にまつわる豆知識、絶景ポイント、純喫茶をテーマにしたコラムもある。
「彼女とキタのラブストーリー」は、キタの家に嫁いできた女性にインタビューし、どのような年月を過ごし、どのようにこの地域を好きになっていったのかを探る記事。巻末には、「街の情報と福祉情報を並べて載せたかった」と地域の活動情報を掲載する。
大阪市北区役所、北区民センター、大淀コミュニティセンターなどで配布。12ページ。発行部数は3000部で年3回発行。ウェブ版もある。