HEP HALL(大阪市北区角田町、TEL 06-6366-3636)で11月29日~12月2日、劇団レトルト内閣第21回本公演「ゴシップ」が行われる。
関西学院大学の演劇サークルを母体とする同劇団。座付き作家の三名刺繍(みなししゅう)さんが「脚本を書いたからやりたくなった」と座長の川内信弥さんらと5人で2001年に神戸の劇場で旗揚げした。「最初はこんなに長く続けるとは思っていなかった。公演が終わったらまた脚本を書いて、またやりたくなって…」と振り返る三名さん。団員は昼間、それぞれ職に就いており、平日の夜や土日に集まり活動しているという。現在は2年に3本のペースで新作を発表している。
作品は、「華やかなのにダーク、B級なのに耽美(たんび)」という独自路線の「エレガンスロック」を掲げる。展開が早いのも特徴。脚本・演出・音楽を担当する三名さんが「演劇の要素を取り入れたシアターバンドをやっていた」ことから音楽発想で脚本を作っているといい、詞的なリズムのせりふ、楽譜仕立ての台本など音楽的な要素が多く取り入れられている。物語の舞台は、ファッション業界、芸能界、青少年更生施設、選挙戦、医療サスペンスなど多岐にわたり、団員が集まってブレストし、旬のものを取り入れて決めているという。
新作の「ゴシップ」は、どんなうわさも信じてしまう村人たちのいる村で「赤いドレスの女は魔女だ」といううわさが流れ、赤いドレスを着た娘の死体が発見される。誰かが村のうわさを操っているらしいが、誰が操っているのか…という迷走心理サスペンス。「殺人事件を解いているうちに、登場人物の内面が暴かれていくところが見どころ」と話す。
7回の公演のうち4回の本編終了後にはアフターイベントを開催。同劇団に所属する大阪府職員の藤京子さんと市職員の福田恵さんの漫才コンビ「安定志向」が取り組む西成PRの一環として「西成サミット」(仮)を行うほか、サラリーマン俳優・こみたおさんのサラリーマンコント、同劇団所属でアイドルとしても活躍する初夏(ういか)さんの「知られざる姿」を語り尽くすトーク、「安定志向」による子育てをテーマにした新作漫才を予定する。
「演劇の世界も変わってきていて、演出に3Dプロジェクションマッピングなどを使っている。映画を見るようでもあり、演劇ならではのところもある。劇場に足を運んだことのない人にも来てもらいたい」と呼び掛ける。
チケットは、前売り=3,000円、当日=3,500円。チケットぴあ、ローソンチケット、イープラスなどで販売中。