阪急うめだ本店(大阪市北区角田町、TEL 06-6361-1381)9階阪急うめだギャラリーで7月24日、中原淳一生誕100周年記念「中原淳一展」が始まった。
1913(大正2)年、香川県出身。19歳のときに趣味で作ったフランス人形の個展を開き、これを見た「少女の友」編集者が挿絵を依頼。その後、表紙、付録なども手掛けるようになり、同誌の看板作家となった。1939(昭和14)年には、中原淳一グッズの店「ヒマワリ」を東京の麹町にオープン。中原淳一デザインの洋服や帽子、人形、雑貨などが並べられた同店は、多くの女学生でにぎわっていたという。
戦後は、1946(昭和21)年に女性誌「ソレイユ」(後に「それいゆ」に改称)、1947(昭和22)年には少女向け雑誌「ひまわり」を創刊。終戦後の物のない時代に「手持ちの服をいかに美しく仕立て直すか」を提案し、ファッションスタイルブックなども次々と発行。雑誌編集者のみならず、ファッションデザイナーとしての才能も開花させた。編集者として女性誌の基礎を作り、イラストレーター、ファッションデザイナー、インテリアデザイナーとして活躍し、1983(昭和58)年、70歳で生涯を閉じた。
同展では、第1章で初期の作品、第2章でファッションデザイナーとしての仕事、第3章でインタリアや料理などライフスタイル提案、第4章で晩年の仕事を紹介。表紙原画や挿絵、スタイル画、雑誌付録、人形など、デビューから晩年までの作品約400点を展示し足跡をたどる。雑誌で提案した少女のための3畳間を再現したものや、同展のために丸山敬太さんが作ったドレス、イラストレーターや女優、歌手ら、中原淳一に影響を受けた著名人からのメッセージ、同会場限定の「歌劇学校」挿絵なども展示する。来場していた女性らは「それいゆ、うちにもようさんあったわー」などと、懐かしみながら楽しんでいた。
「カワイイ文化のルーツとして捉えられ若い人にも注目されている。同展では、ファッション部分を手厚く展示している」と、同展を主催する朝日新聞社の高橋秀喜さん。
会場前のアートステージには、同展特設グッズショップが登場。公式図録(2,001円)、トートバッグ(2,625円)、ハンカチ(1,000円)、Tシャツ、iPhoneケースなどのグッズを販売する
開場時間は10時~20時(金曜・土曜は21時まで、最終日は18時まで)。入場料は、一般=800円、大学生・高校生=600円、中学生以下無料。8月5日まで。