北浜エリアのテナントや建物オーナー、NPOなどから成る北浜水辺協議会は10月1日、土佐堀川左岸に1カ月限定の「北浜テラス特設船着場」(大阪市中央区北浜、TEL 06-6538-4880)を開設した。
川に近づき体感し日常利用することを目標に掲げる同協議会。2010年からは土佐堀川沿いの飲食店で川床を楽しめる「北浜テラス」を常設化するなど、水辺の立地を生かした北浜地域の活性、水辺の景観の創出などを目的とした活動を行っている。
1カ月限定で設置した船着場は「北浜テラス」に合わせた小型船舟運活性化の社会実験で、船着き場の設置、運営管理・登録・運航ルールの試行、小型船ニーズの把握などを目的に実施。現在は「大阪で観光小型船を営業されている会社や水辺を研究されている方、西宮からレンタルボートで来られる方などが予約されている」(事務局の山根さん)という。
期間中の金曜・土曜は、eよこ会(東横堀川水辺再生協議会)の企画で、「本町橋船着場」-「北浜テラス」-「本町橋船着場」の定期便を1日2便運航。「北浜テラス」での乗下船も可能で、予約なしで乗れるようになってからは店舗で食事をした後に乗船する人もいるという。運賃は1区画500円。今月24日~30日は、同協議会主催で1日9便の観光クルーズを北浜テラス発着で運航する。同船着き場へは、北浜テラス参加店舗「十六夜」の店内を通り抜けて行く。
今回の取り組みで予約者からは「大阪には今まで小型船で行けるところがなかったので非常にうれしい」との声もあり、「今後はそういう思いの人とできるだけつながって、市の中心部まで船で来るニーズをつかみたい」と山根さん。常設するには「航行の安全性や設備の維持管理、不法係留船対策などの課題をクリアできる船着き場施設やオペレーション方法を確立することが必要」だというが、「一番大切なのは水都大阪を代表するこの地に、『船場の北の浜(船着場)』だった景観を取り戻すんだ、という水都スピリット」と意気込みを見せる。
「川や水路を交通路として利用してこそ『水都』。ぜひとも本町、湊町を結ぶクルーズや、22日の水辺バルに船で来てほしい」と山根さん。「免許をお持ちの方はぜひこの機会にレンタルボートでもお越しいただければ。新しい世界がきっと広がるはず」とも。
利用時間は10時~23時。利用には事前に船舶登録、寄港日届け出が必要で、利用要項や予約状況はホームページで確認できる。
「北浜テラス特設船着場」の開設は今月31日まで。