東日本大震災による電力不足の報道がされる中、関西電力(大阪市北区中之島)の名前を使ったチェーンメールが出回り、同社が発信を否定するとともに注意を呼びかけている。
同メールは、「関西電力で働いている友達からのお願いなのですが」で始まり、「本日18時以降関東の電気の備蓄が底をつくらしく、中部電力や関西電力からも送電を行うらしいです」と続く。その後、「一人が少しの節電をするだけで、関東の方の携帯が充電出来て情報を得たり、病院にいる方が医療機器を使えるようになる」などと書かれており、最後に「このメールをできるだけ多くの方に送信をお願い致します」と訴えている。メールの文面は複数存在し、遅くても12日には確認されている。
同メールについて社員や担当部署への問い合わせがあったことから同社では「今回の震災復旧に関して当社名でお客さまに節電に関するチェーンメールを送ることはございませんのでご注意ください」とホームページ上に掲載。「11日夕方から電力各社と協力しながら最大限可能な範囲で電気の融通を行っている」という同社では、東日本と西日本では周波数が違うため周波数を変換しなければならず、周波数変換施設の容量には上限があり、今のところ「お客さまに特別な節電をお願いするような状況にはございません」としている。
メールの内容自体が悪質ではないため信用する人も。同じような内容のメールを3通受け取ったという30代女性は「電力が不足している中、節電するのはもっともだと思った」と話し、メールを見せた知人に「チェーンメールじゃないの?」と言われるまで気づかなかったという。
地域共生・広報室担当者は「日頃から節電にはご協力いただいているが、弊社からチェーンメールを送ることはない。受け取られた方はご自身で止めていただき、ほかに回さないようにお願いしたい」と呼びかける。