梅田で「南極建築」展 極寒地に挑む日本の基地を特集

LIXILギャラリーで始まった「南極建築」展

LIXILギャラリーで始まった「南極建築」展

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 グランフロント大阪(大阪市北区大深町)12階のLIXILギャラリーで12月9日、「南極建築 1957-2016 展」が始まった。

南極観測隊員の厚い防寒具

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 日本が南極の辺境、東オングル島に昭和基地を開設した1957(昭和32)年から、約60年間に建築物と隊員の暮らしがどう変遷したかを特集する。国立極地研究所の写真や、映像、実資料など約90点を展示する。

 入り口には、初期の昭和基地にちなみ、梱包(こんぽう)用木箱を3段・8列に積んだ展示ブースを設けた。第一次観測隊は防災上の理由で全4棟を離して建てたため、冬季は木箱を積み上げて作った通路を移動した。通路の気温は戸外と変わらず、風呂から居住棟に戻る間に濡れタオルが棒状に凍結したという。

 「南極は極寒と強風の地。建築物を建てるのは、すなわちブリザード(暴風雪)と、スノードリフト(雪の吹きだまり)との闘いを意味する。それをいかに克服していったかを紹介したい」と同ギャラリー・ディレクターの高橋麻希さんは展示の狙いを説明する。

 初期に木質パネルのプレハブ建築だった日本の基地は、風を通り抜けさせる高床式建物や地下通路などの採用で、徐々に過酷な南極の環境に適応していった。昭和基地で暮らした隊員は延べ3000人以上。現在では約70棟の建物があり、居住性も向上した。

 同展では、隊員の分厚いブーツやコート、暮らしを記録した写真をはじめ、雪上車や最新観測船「新しらせ」の模型、ブリザードの映像などを展示。2018年に完成予定の12角形高床式建物や、異なるアプローチで南極に挑戦する諸外国の基地16カ所も写真パネルで紹介する。

 開館時間は10時~17時。水曜と12月28日~1月4日、2月19日は休み。入場無料。入館は南館の「タワーAオフィスエントランス」から。来年2月21日まで。来年1月28日に講演会「元越冬隊長が語る、南極の暮らし」を予定する。

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