梅田に近い中崎町一帯で11月23日、ジャズイベント「NAKAZAKI JAZZ JANBOREE(中崎ジャズジャンボリー)2010」が開催された。
NTT西日本のCSR活動の一環として行われた同イベントは、地域の魅力再発見、地域振興を目的に、「ジャズと人」「人とまち」「人と人」を「つなぐ」イベントを目指す。
梅田センタービル・クリスタル広場(北区中崎西2)で行われたオープニングセレモニーには、平松邦夫大阪市長らが登壇。平松市長は「ジャズは難しいと思う人もいると思うが、自然に手足が動き身近なものと感じていただけると思う。CSR、企業の社会的責任というか、楽しくつながろうやないかということで北区の後援を決めた」などとあいさつ。福塚秀彰大阪市北区長の開会宣言とともに、「Sakaibara quartet(サカイバラ カルテット)」がジャズのスタンダードナンバー「Take The ‘A’ Train(A列車で行こう)」を演奏し開幕した。
当日は、気鋭アーティストが出演する「大阪能楽会館」(北区中崎西2)、プロ・アマ・学生バンドが出演する「梅田クリスタルホール」「クリスタル広場」(同)、クラブジャズDJが競演するクラブ「NOON」(中崎西3)の4会場で、アーティスト16組、DJ6人がステージを繰り広げた。
大阪能楽会館では、土岐麻子さん、SHANTI、矢野沙織さん、渡辺俊美さん、JABBERLOOPが出演。出演者らが「すごい会場」(渡辺さん)、「生きている間に能舞台の廊下を歩くと思わなかった」(土岐さん)などと話す会場では厳かな能舞台にピンクやブルーの照明がたかれ、幻想的なステージに。20~30代の女性を中心とした観客らがリズムを取りながら楽しむ様子が見られた。
当日の運営には、大手前女子短大学生、学生出演バンド関係者、中崎町イベントナビゲーターら71人がボランティアスタッフとして参加。イベントがきっかけで中崎町を訪れた来場者に中崎町を知ってもらうことも目的に含まれていたこともあり、「地域の方が本当に全面的に協力してくれた」(実行委員会)。地域の課題となっている違法駐輪の課題にも取り組み、同イベント開催をきっかけに同区が動き、会場近くに300台以上あった放置自転車も一掃した。イベント内では、折り畳み自転車の紹介を含めた自転車マナー向上トークを行うなど、啓発活動も行われた。
昔からの地域住民と、古い街並みに魅力を感じやってきた若者が混在する中崎町。実行委員担当者は「今日ともに運営したことを始まりに、ここから交流が深まれば」と期待を寄せる。