ライブスペース「Vi-code(ヴィーコード)」(大阪市北区中津3)で11月3日、中崎町をメーンに撮影した映画「或る探偵の証明」の完成記念イベントが開かれた。イベントには約150人が参加。映画に楽曲を提供しているジャズロックバンド「Djamra(ジャンラ)」の演奏に続き、メーキング映像紹介と出演者たちによるトークショーが行なわれた。
同映画は、警察でも引き受けない「ややこしい」依頼を専門に扱う探偵、直江白男が主人公の下町ハードボイルドアクション作品。監督・脚本は、骨董カフェ「和み屋」(浮田町1)を経営する山口雅和さんで、出演は主人公の直江役に、町家再生カフェ「天人(あまんと)」の代表でもあるJUNさん、直江のアシスタント役にあだち理絵子さんほか。
JUNさんは、下町の風情を残したまま地域の活性化に取り組むことを目的に、中崎町や浮田町などのエリアを中心に撮影される映画を支援する団体「電影公司(てんえいこんす)」も運営する。同映画も、ロケ場所の選定や協力スタッフの招集など「電影公司」が支援した。「消えていく場所を映像として残したい」(JUNさん)思いから、「撤去が決定している、江戸時代からの石畳が残る茶屋町の一部も撮影場所に選んだ」(同)という。
香港映画「ドラゴン怒りの鉄拳」でブルース・リーと共演した勝村淳さんも出演。勝村さんは勝新太郎さんの弟子として約40年間勝プロに所属していた。同映画ではアクションや立ち回りの指導も担当。撮影現場では、冗談を言うなど「ムードメーカー的な存在でもあった」(JUNさん)という。トークショーの中で勝村さんは「朝が早いのが一番大変だった」と撮影の苦労を語った。
「映画のテーマは『カルマの克服』。東洋の思想を織り込んでいるので、海外の人たちにも見てもらいたい」(JUNさん)と、来年以降、海外の映画祭などへの出品も予定している。
同映画は、シネ・リーブル梅田でレイトショー上映される。上映期間は11月24日~30日で、上映開始時間21時前後。料金は1,300円。同時上映は「夕凪にこだまする」(吉川信幸監督)。