「ヒルトンプラザ イースト」(大阪市北区梅田1)1階アトリウムで10月30日、古典芸能の「能」を紹介するイベント「能の世界」が開催された。
同イベントは「『ラグジュアリー感と上質感』をコンセプトとするヒルトンプラザのブランドイメージ発信の一環。ヒルトンプラザの『本物志向』に対して、日本文化の本質ともいえる能がふさわしかった」(同広報担当者)ことから企画されたという。
開演は18時。笛、小鼓、大鼓、太鼓の囃子方4人が登場し、能の楽曲の一つ「早笛舞働(はやふえまいばたらき)」の約10分間の演奏に続き、「天人の舞楽を見せてくれたら、天に帰るための羽衣を返す」という猟師の前で天人が舞を披露する場面を中心に、30分程度に短縮した「羽衣」のダイジェスト版が上演された。
主役(通称=シテ)の「天人」を演じたのは、重要無形文化財総合指定保持者の山本章弘さん。山本能楽会の理事長でもあり、山本能楽堂(中央区)で能の正統を伝えるとともに、初心者向きの公演「とくい能」「上方伝統芸能ナイト」などを開催し、能楽ファンの裾野を広げる活動を行なっている。
当日は、事前の告知で応募のあった2,000通の中から20組40人が招待されたほか、ヒルトンプラザの利用客などが足を止め、約150人が「能の世界」を堪能した。