大阪市北区役所(大阪市北区扇町2)1階で現在、明治時代に起きた大火災に関する資料を展示する「北の大火と消防展~100年前の災害を風化させないために!~」が開催されている。今年開庁100年を迎える大阪市北消防署との共催。
「北の大火」は1909(明治42)年7月31日午前4時20分、北区空心町2丁目(現扇町総合高等学校付近)のメリヤス業宅から出火し、翌8月1日午前4時ごろまで一昼夜にわたって燃え続けた。東北からの疾風にあおられた火は福島地区(現大阪厚生年金病院付近)まで到達。被災面積は約37万坪、1万1,365戸のほか多くの公共施設が消失した。この火災がきっかけで消防強化の世論が高まる中、翌1910(明治43)年4月に大阪府北消防署(現大阪市消防局北消防署)が開庁した。
同展では、北消防署内に残っていた被災地の様子を収めた小冊子「写真書帖 大阪の大火」から抜粋した写真や当時の新聞記事など29点のほか、地域の歴史に関心を持ち北の大火に関する資料も収集している髙木浩也さんの協力で、当時の日記や絵葉書などの関連資料も展示する。
区民企画の担当者は「年配の方の中には『聞いたことがあるわ』という人がいたり、若い男性会社員の方も熱心な様子で見ている」といい、「被害が大きかったにもかかわらず今では知る人も少ない。一人でも多くの人に知ってもらいたい」と話す。
開催時間は9時~17時30分(最終日は15時まで)。土曜は閉庁。3月31日まで。