1920~40年代にアメリカで流行していたスイング、ハワイアン、カリプソなどを最も得意とする弦楽器演奏家集団「Sweet Hollywaiians」が10月24日、ライブハウス「梅田SHANGRI-LA」(大阪市北区大淀南1、TEL 06-6343-8601)でライブを行った。
ハワイアンスティールギター、ギター、ウクレレ奏者の松井朝敬さんを中心とする同グループは、ウクレレ、テナーバンジョー、ギター、マンドリン奏者の高田進正さん、ギター、ウクレレ奏者の中山隆志さん、ベース奏者の堤下功一さんの4人で構成される。「この構成で当時の奏法を取り入れながら、オリジナルアレンジを加えて演奏するグループは他にはない」(松井さん)という。
「エレクトリックな音楽が苦手」という松井さんは、16~17歳ごろからメロディーがシンプルで自身にとって一番ポピュラーであった戦前のアメリカ大衆音楽を好むようになった。20代前半には、知人の薦めで有山じゅんじさんにギターを師事、大学卒業後にはバックバンドなどをしながら活動を続けてきた。そして、2002年に同グループを結成。
ノスタルジックなジャズを歌うジャネット・クラインさんが日本で公演した際には前座を務め、楽屋で意気投合し、2006年にはジャネット・クラインさんや、ギター、マンドリンの名手トム・マリオンさんらとアメリカで共演。2007年には、トム・マリオンさん初のソロ作となる「恋する楽士」のバックを担当した。
10月3日~16日には、ロサンゼルス、サンフランシスコでツアー公演をし、単独ライブのほかにも、今後一緒に公演したい人たちともセッションした。松井さんは「今ではなくなってしまった奏法を発掘しに行くのも渡米の楽しみのひとつ」という。
今回のライブは、7月15日にリリースしたデビューアルバム「HULA GIRL」のリリース記念の最終ライブ。3曲のハワイアンメドレーで始まり、ゲストのチチ松村さん(GONTITI)、有山じゅんじさんを交えながら全23曲を披露した。チチ松村さんは「あれほどまで1920年代~40年代の音楽を自分に取り込んで表現できる人たちは日本にはそういない。初めて会った時、こんなに若いのにいい演奏をしているなと思った」などと話した。
11月11日には「dieci」(天神橋1)、12月14日にはNU茶屋町の「Lapine」で公演が予定されている。