「世界遺産をつくった大工棟梁」展-中井家伝来の資料百点公開

京都・知恩院の境内と背後の華頂山、門前の町家を描いた絵図

京都・知恩院の境内と背後の華頂山、門前の町家を描いた絵図

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 江戸時代から昭和に至るまでの暮らしに関する博物館「住まいのミュージアム 大阪くらしの今昔館」(大阪市北区天神橋6、TEL 06-6242-1170)で10月11日、企画展「世界遺産をつくった大工棟梁(りょう)-中井大和守(やまとのかみ)の仕事-」が始まる。

展示品の一部「起こし絵図」

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 江戸時代に幕府の大工頭を務めた中井家は、初代・正清が1606年(慶長11年)、大和守に任じられ、上方にある城郭や寺社建築の設計図面を作成し、建築工事を行ってきた家系。日本の世界文化遺産11件のうち、「法隆寺地域の仏教建造物」「古都京都の文化財」「古都奈良の文化財」「日光の社寺」「紀伊山地の霊場と参詣道」の5件に中井大和守の足跡を確認することができることから、同展では「世界遺産」をキーワードにしている。

 中井家13代当主の中井正知さんと、住宅総合研究財団の協力で、同家に伝わる数千点の資料の中から、建築物の平面絵図、立体の「起こし絵図」などのほか、長谷寺(奈良県桜井市)所蔵の国宝「本堂棟札(むなふだ)」など約100点を展示する。

 同館の谷直樹館長は「一大工棟りょうの家が、その時代の代表的な建物を一手に引き受けることは、他の時代にはなかったこと」と話し、中井さんは「個人で持っておくにはもったいない。多くの人に見てもらい、後世につないでいければ」と話している。

 開催時間は10時~17時(入館は16時30分まで)。入館料は、一般=800円、学生=500円(いずれも常設展への入館を含む)、企画展のみ=300円。11月9日まで。

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