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「世界の台所」研究、北緯40度に境界発見 梅田で建築家・宮崎玲子さんら企画展

住居模型6点を展示

住居模型6点を展示

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 世界の台所からその土地の気候風土や文化を考察する企画展「台所見聞録 ~人と暮らしの万華鏡~」が、大阪のグランフロント大阪・南館「タワーA」(大阪市北区大深町)12階、リクシルギャラリーで開かれている。

ネパールの伝統的な台所は屋根裏

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 同展は、10分の1サイズの住居模型6点をはじめ、図版、資料など約90点を展示。ドイツやロシア、カナダのイヌイット、インドなど各地の住まいを比較し、暮らしの違いを紹介している。

 模型は、研究資料にするため建材や衣服の素材も再現されている。制作したのは建築家の宮崎玲子さん。1970年代から世界70カ国以上を訪れて伝統的な台所を調査し、北緯40度線辺りを境に、鍋の使い方が南北で「置く」と「つる」に分かれることを発見した。

 宮崎さんによれば「北緯40度付近は冬に明かりなしで生活できる北限」。ロシアの「ペーチカ」、韓国の「オンドル」に見られるように、火を照明や暖房にも使う北の国に対し、南の国ではもっぱら調理用にすることなどが関係しているという。

 同ギャラリー・ディレクターの高橋麻希さんは「台所は本来、他人に見せたくないプライベートな空間。宮崎さんの穏やかな人柄なくしてこの調査、発見はなかった。失われつつある伝統的な台所をのぞいてみて」と呼び掛ける。

 会場では、近代日本における台所改革の様子も併せて紹介している。

 開館時間は10時~17時。水曜定休。入場無料。5月21日まで。

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