JR西日本が5月16日、大阪駅で「トワイライトエクスプレス」の出発式を行う。旅行会社専用の団体臨時列車に再編成し、近畿、山陽地方で走らせる。

ドンペリやシャンパンも飲めるサロンカー

　トワイライトエクスプレスは3月12日に定期運転を終了した寝台列車。運転最終日には、大阪駅に約3500人のファンが詰めかけ別れを惜しんだ。その後、一般のファンや旅行代理店などから運行継続を望む声が多く寄せられたことから、JR西日本では車両を再整備し、客室を人気の「スイート」と「ロイヤル」のみにして復活させることを決めた。

　新編成は24系客車8両で、1～4号車にスイートを各1室、ロイヤルを各4室配置。1号車のスイートには展望室が付く。5号車はサロンカー、6号車は食堂車「ダイナープレヤデス」、7号車は乗務員室にする。定員は40人で、各客室車両に10人ずつ滞留する。

　新ルートは、大阪から琵琶湖を1周して下関へ向かう下りと、上りは下関から琵琶湖を1周して京都に向かう上りの2経路。走行距離は約820キロと、大阪～札幌間の旧ルートより短くなるが、滞在時間は下りで29時間と、約7時間長くなる。

　食事は朝食1回、昼食2回、夕食1回を食堂車で提供する。瀬戸内海の素材を多く取り入れたり、胃に優しく食べ疲れしないメニュー構成にしたりと細かく配慮。ディナーはフランス料理のフルコースで、伊勢エビとその殻からとった濃厚なスープや、但馬牛を使った肉料理などを味わえる。ドリンクは朝食後から23時までフリー。ドンペリやシャンパン、ワインなどの酒類も選べる。6月以降は山口県の大吟醸酒「獺祭（だっさい）」も提供予定。同社営業本部主席の橋本宏志さん（38）は「車内で過ごす時間が延びる分、お客さまを飽きさせないように、特に食事のグレードアップに力を入れた」と話す。

　ツアーが各社から出ており、料金は1人約20万～70万円。出発式は、大阪駅の10番乗り場で5月16日9時頃、下関駅の9番乗り場で同18日10時頃に行う。