天六で「昭和レトロ家電展」-昭和30年代の器具で調理実習も

昭和30年代の家電を収集する増田健一さん

昭和30年代の家電を収集する増田健一さん

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 大阪くらしの今昔館(大阪市北区天神橋6、TEL 06-6242-1170)で現在、昭和30年代の家電500点を一堂に展示する「マスダさんちの昭和レトロ家電展」が開催されている。

トースト、ホットミルク、目玉焼きが一度に調理できる「スナック3」

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 1963(昭和38)年、大阪市内で生まれた増田健一さんのコレクションを展示する同展。小学生のころには昭和の写真集を眺め、中学生のころにはラジオ「上岡龍太郎の懐メロ大全集」を聴き、「わずか10年前やのに活気があふれている」と昭和30年代に興味を深めた増田さん。高校生の時に心斎橋パルコで開催された古道具イベント「オキュパイドジャパン」でデミタスカップを購入したのを皮切りに、1982(昭和57)年に国鉄入社後は非番の日には京阪神はもとより、東京・名古屋の古道具店に足を運び、昭和30年代の家電を収集してきた。2002年にJR西日本を退社し、京都の古美術店を経て現在は収集したものの整理と研究を続けている。

 会場入口には、当時「主婦の睡眠時間を1時間延ばした」と大ヒットした東芝「自動式電気釜」(昭和30年)を展示。続いて、忙しい朝にトースト、ホットミルク、目玉焼きが一度に調理できるというふれこみの東芝「スナック3」、1つの電話機にダイヤルが2個つき、机を挟んで両側からダイヤルできる両面ダイヤル式電話機「ボーズ・ホーン」(昭和38年)などが並ぶ。「アイデアは面白いがあまりヒットしなかった商品も多い」と増田さん。

 金びょうぶの前には「三種の神器」と言われたテレビ、洗濯機、冷蔵庫を展示。「うんちくレトロ家電」と題されたコーナーには、1957(昭和32)年にソ連が初の人工衛星「スプートニク1号」の打ち上げを成功し「宇宙ブーム」が起こったことから、当時発売されたロケット型のラジオやライトなどを集積、工業デザインへの関心が高まった当時の「デザイン家電」、2つの機能を備えた「1粒で2度おいしい」家電など、増田さん独自の構成で商品を展示する。「当時は電気でできるものは何でも作ってみようという時代。電化製品である必要のないものや、誇大広告も面白い」とも。

 来年1月6日、2月10日には、増田さんが見どころを解説するギャラリートーク(無料)や、「東芝ウォーキングトースター」「東芝ゆで卵器」「三菱パーコレーター」などレトロ家電を使ったモーニングの調理実習と試食会(各回5人、参加費500円)などの関連イベントも予定する。

 「王道のレトロ家電を集めている展覧会はあるが、ツッコミどころが多いものを集めているのが私のコレクション」と増田さん。現在もコレクションを続けており、「今はシャープの電気洗米機、フードミキサー、電気かつおぶし削り器を探している」という。

 開館時間は10時~17時。毎週月曜、第3火曜、12月25日~1月2日休館。観覧料は、企画展のみ=300円、常設展とのセット=800円(学生500円)。来年2月15日まで。

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