阪急うめだ本店(大阪市北区角田町、TEL 06-6361-1381)食料品売り場で3月15日、東北の味を特集する「やっぱり、この味 東北で見つけた人気のお店」が始まった。
地下1階フードイベントプラザには、気仙沼市「斉吉商店」の「金のさんま」(150グラム=525円)が登場。同店のつくだ煮に使う「返したれ」は20年継ぎ足したもので、人命の次に大切なものとしていつでも持ち出せるようにリュックサックに入れて冷凍庫に保管していたが、震災当日、保冷車に積んで逃げたが車ごと津波に流され従業員は車から降りて避難。後日、従業員が車の流れて行った方向に探しに行き、奇跡的にたれを見つけることができ、今もその味は守られている。メディアなどに取り上げられることも多く、店頭には朝から買い求める人の列ができた。同社は昨年4月、同店の催事に出店予定だったが震災のために出店できず、1年たって関西で初出店することができたという。
同スペースには、同じ気仙沼市の「石渡商店」の「濃縮ふかひれスープ」(3~4人前=840円)、仙台市「味喜屋」の「ずんだ餅」(4個入り=420円)、「佐々直」の「笹かまぼこ」(5枚735円)などの名店が並ぶ。同フロアでは、豪華なフカヒレをのせた海鮮弁当「荒城の月」(1,890円)、「利久」の「牛たん弁当」(1,365円)なども販売する。
1階の和洋酒売り場では福島、岩手、宮城の酒を特集。陸前高田市に本社を置く酔仙酒造では、「活性原酒 雪っこ」(180ミリリットル=280円)、特別純米酒「岩手の地酒」(720ミリリットル=1,327円)、純米吟醸「絆」(720ミリリットル1,733円)を販売。「絆」は、震災で蔵を失った同社に工場の一つを丸ごと貸し支援した岩手銘醸が譲った酒を「さらにつながりを深めたい」と、「絆」と題し企画した商品。同社は復興計画がまだ明確でない陸前高田では再建に取り掛かれないため、現在、大船渡市で新工場の建設を進めている。取締役の新沼厚生さんは「やっとこれでお酒の好きな方とお付き合いできるとうれしいが、時間がたって不安もある」と複雑な思いを明かす。
同フロアでは、一関市「佐々木製菓」の「南部せんべい」(15枚入り、ゴマ・ピーナツ=各368円)を販売。地下2階「精肉専門店 つの田」では、山形県平田牧場の「平牧三元豚フェア」を行っている。
営業時間は、日曜~火曜=10時~20時、水曜~土曜=10時~21時。今月20日まで。